U18日本コールド発進!横浜・緒方 甲子園逃した悔しさ晴らす猛打ショー

[ 2023年9月2日 05:00 ]

U18W杯・1次ラウンドB組   日本10―0スペイン ( 2023年9月1日    天母 )

<日本・スペイン>初回に右前適時打を放つ緒方(撮影・河合 洋介)
Photo By スポニチ

 高校日本代表は1日、スペインに10―0で快勝し、1次ラウンド初戦を飾った。「7番・二塁」で出場した緒方漣内野手(3年=横浜)は初回に右前適時打を放つと、6回にはコールド勝ちを決めるサヨナラの2点打。今夏の神奈川大会決勝・慶応戦では微妙な判定に泣き甲子園大会出場を逃したが、その悔しさを晴らす3安打3打点だった。2日はパナマと対戦する。

 不完全燃焼で終えた高校野球生活に「延長戦」があった。6回1死一、二塁。緒方が右中間へ快音を響かせた。コールド勝利を決める2点三塁打。会心の一打に笑顔が輝いた。
 「日本一を目指してやってきたんですけど今度は世界一というもっと大きな目標ができた。そこに向けて階段を上がっていきたい」
 まさかの形で最後の夏を終えた。今夏は神奈川大会決勝で慶応に逆転負け。2点リードした9回無死一塁の守備で、「4―6―3」の併殺崩れで1死一塁になったはずだった。だが、二塁塁審の判定は「セーフ」。遊撃手・緒方が触塁できず空過したという判断で、無死一、二塁とピンチは広がった。その後、渡辺千之亮(3年)に逆転3ランを被弾。あと一歩で甲子園を逃し、主将としての責任感から緒方の涙は止まらなかった。

 日本一となった慶応など甲子園メンバーを軸に選出される代表。母・ゆかりさん(43)には「選ばれないね。(代表でプレーする)夢も終わった」と本音を漏らしたこともあった。だが、馬淵監督が高校トップクラスの遊撃守備に加え、1年夏の甲子園でサヨナラ本塁打を放った勝負強さを評価。日の丸を背負うことが決まった日から、緒方の目に輝きが戻った。

 母はパスポートを更新していなかったため、川崎市の自宅でテレビ観戦となった。「選んでもらえたことが奇跡」と目を潤ませた。異国の地で決戦をスタートさせた緒方。「本当に…あれ以上にない負け方を決勝戦で味わっているので、そこの悔しさを世界大会で晴らしたい」。人生は敗者復活戦。世界一を目指して戦い抜く。

 ◇緒方 漣(おがた・れん)2005年(平17)6月20日生まれ、川崎市出身の18歳。幼稚園年中から野球を始め、川中島中では硬式のオセアン横浜ヤングでプレー。横浜では1年春からベンチ入り。50メートル走6秒4、遠投100メートル。憧れの選手はソフトバンク・今宮。好きな言葉は「執念」。1メートル69、69キロ。右投げ右打ち。

 ▽大会規定 9回制ではなく7回制、DH制を採用。バットは木製バット。5回以降10点差以上でコールドゲーム、決勝と3位決定戦は採用しない。7回を終え同点の場合は無死一、二塁から攻撃を始めるタイブレークを実施。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年9月2日のニュース