【女子高校野球】神戸弘陵が史上初の3冠 手がボロボロになるまでスイング「先輩方の分もと思って」

[ 2023年8月2日 04:00 ]

<女子決勝 岐阜第一・神戸弘陵> 優勝を決め、歓喜の神戸弘陵ナイン (撮影・後藤 大輝)
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 第27回全国高校女子硬式野球選手権大会決勝が1日、3年連続で甲子園球場で行われた。神戸弘陵(兵庫)が岐阜第一(岐阜)を8―1で下し、2年ぶり3度目の優勝。同校は昨秋のユース大会、今春の選抜に続く「3冠」を初めて達成する快挙を遂げた。5番の飯嶋弥沙音(みさと)外野手(2年)が5打点を挙げるなど打線がつながった。今回は史上最多の58校が参加し、準決勝までは兵庫県の丹波市と淡路市で開催された。

 念願だった聖地でのプレーで躍動した。2年生の5番打者・飯嶋は初回1死満塁から直球を中前に運び先制の2点適時打。さらに3―1の4回2死満塁では、前進していた右翼手の頭を越える走者一掃の三塁打を放った。2度巡ってきた満塁の好機をものにし、3打数2安打5打点をマークした。

 「自分が打ったら絶対に勝てると思って打席に入った。直球が得意なのでそれだけを狙っていた」

 神戸弘陵打線は速球に狙いを定め、14安打と打ちまくった。準決勝後、岐阜第一の最速123キロ右腕・桑沢明里(2年)を攻略するため、打撃マシンをマウンドより前に設置。対策を施した成果を見せた。飯嶋は「普段から目的を持って練習している。先輩方をはじめ、努力家が多い」とうなずいた。

 新チーム発足当初は“最弱世代″と呼ばれてきた。だが、主将・三村歩生(3年)を中心に「見返してやろう」と奮起。秋のユース大会を優勝すると、冬は手をボロボロにしながら1日1000スイングを振り込んだ。それが実り、春、夏も頂点に。女子高校野球初の3冠を達成した。

 昨年は複数の選手に発熱の症状があり、準々決勝進出後に辞退した夏。その1年後に手にした栄冠に主将は「ずっと先輩方の分もと思ってやってきた。この甲子園で、最高の結果を出せてうれしい」と、はじける笑顔で喜びを表現した。 (松本 航亮)


《侍ジャパン前監督・栗山氏「今後も続けてほしい」》
 ○…侍ジャパン前監督の栗山英樹氏が、決勝のテレビ中継でゲスト解説を務めた。「去年の決勝でも感じたが、守備のレベルが高くなっている。両校とも本当にいい野球をしていた」と評価。栗山氏が創部を後押しした栗山(北海道)も1回戦で玉名女子(熊本)に勝利しており、甲子園での決勝に「誰もが憧れる甲子園で女子野球の試合ができるのは素晴らしい。今後も続けてほしい」と話した。

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