珍現象!DeNAが交流戦初Vほぼ手中も…史上初のTQB決着に 楽天V条件は残り2戦計30-0

[ 2023年6月20日 05:30 ]

交流戦   DeNA3―4日本ハム ( 2023年6月19日    横浜 )

<D・日>スタンドのファンにあいさつする三浦監督(撮影・尾崎 有希)
Photo By スポニチ

 史上初のTQB決着だ。DeNAは19日、日本ハム戦に勝つか引き分けで初優勝が決まったが、延長10回の末に3―4で敗れた。優勝の可能性は11勝7敗で日程を終えた4チームの中で、TQB(得失点率差)でトップのDeNAと2試合を残す楽天に絞られた。DeNAは、楽天がきょう20日からの連戦で引き分け以下の時点で優勝が決定。2連勝して11勝7敗で並ばれてもTQBで下回る可能性は極めて低く、大混戦を制することになりそうだ。

 本拠地が悲鳴に包まれた。3―3の延長10回。守護神・山崎が、1死から万波に左越え決勝ソロを浴びた。月曜日にもかかわらず、歓喜の瞬間を見届けようと集まった3万2056人の大観衆。引き分け以上なら交流戦初優勝が決まった一戦で、痛恨の黒星だった。

 「クローザーが打たれたら仕方ない。みんなでカバーした。終わったことは変えられないし、あとは僕らでどうにもできない」

 4時間15分の死闘を終え、三浦監督はそう言葉を絞り出した。8投手をつぎ込む執念の継投でつかめなかった白星。だが数字の上では、交流戦優勝へ圧倒的有利になった。11勝7敗で並んだ4チームで、TQBはソフトバンクの+・135をわずか・005上回る、+・140。優勝の可能性を残す楽天が、きょう20日からの2試合で敗れるか引き分けた時点で、DeNAの初優勝が決まる。仮に楽天が2連勝して11勝7敗で並ばれても、TQBではDeNAを上回るのは極めて困難だ。

 何よりも必死につないだ投手陣の粘りが、大混戦の交流戦制覇へ大前進させた。0―1の5回無死満塁で登板し、無失点で乗り切った森原。8回無死一、三塁で登板したエスコバーは、今季初の回またぎで2回を無失点で切り抜けた。山崎も勝ち越しを許したが、なお2死二塁で、失えばTQBでソフトバンクを下回っていた2点目を阻止。「それは全く考えていなかった。その1点は、後から聞くと鳥肌が立つ」と振り返った。

 「横浜優勝」が勝利の合言葉のファンの前での優勝決定は逃した。だが、13日の日本ハム戦を前に「残り試合、優勝を意識して戦おう」とナインを鼓舞した指揮官の思いはつながった。「優勝を意識した中で最後の最後まで戦えた。18試合戦って大きな財産になった。今日の戦いは難しいものだったがこの経験は今後に必ず生きる」。人事は尽くした。あとは、天命を待つだけだ。(大木 穂高)

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年6月20日のニュース