広島・新井監督の勝負手、あと一歩 「決めていた」勝ち越し後のマクブルームに代打・野間も追加点奪えず

[ 2023年6月11日 05:02 ]

交流戦   広島4-5ロッテ ( 2023年6月10日    ZOZOマリン )

<ロ・広>7回1死満塁、マクブルームに代打・野間を送る新井監督(撮影・長久保 豊)
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 広島は10日のロッテ戦でサヨナラ負けし、連勝は4でストップした。同点の9回に投入した3番手・栗林良吏投手(26)が、1死二、三塁から藤岡にサヨナラ打を浴びて6敗目を喫した。新井貴浩監督(46)は7回、2点を奪ってなおも1死満塁で5番のライアン・マクブルーム内野手(31)に代えて代打・野間峻祥外野手(30)を起用する勝負手を打つも、不発。これが最後まで尾を引く形となった。

 同点の9回。ベンチが送り出したのは栗林だった。同点ながら、右内転筋筋挫傷から復帰後4試合目で、初めて9回のマウンドへ向かった。だが先頭・佐藤都への四球から1死二、三塁のピンチを招き、最後は藤岡にカーブを中前にはじき返された。右腕は「自分の中ではそんなに(状態に)変わりはない。先頭の四球だけが良くなかったかなと思う…」と言葉を絞り出した。

 チームメート一人一人に「すみません」と謝罪しつつベンチへ引き揚げた背番号20。それでも送り出した新井監督は「仕方ない。勝負事だから。思い切っていってくれた」と責めることはなかった。

 1点の重みを、最後の最後に痛感した。序盤からシーソーゲームの展開。1点を追う状況で迎えた7回の攻撃が勝敗を分けた。1死から代打・坂倉の左前打を皮切りに好機をつくり、西川、秋山の連続適時打で2得点と勝ち越しに成功。松山の四球を挟み、なおも1死満塁。最低でも、もう1点ほしい場面で指揮官は動いた。主砲・マクブルームに代打・野間を送り勝負に出た。

 「勝負をかけるところと思ったので動いていった。(マクブルームの)反応の仕方、相手の投手、守備隊形も見ている。まっちゃん(松山)がああなる(四球)のは分かっていたので、それ(代打・野間)は決めていた」

 この日、3打数無安打だったM砲に対し、野間は9日に3安打。加えて相手投手は右腕・西村で、相手内野陣はバックホーム態勢。それなら左打ちの俊足・野間の方が得点確率が高く、なおかつ併殺回避の可能性も高いと踏んだ。あらゆる可能性を検討して送り出したが、結果は二ゴロで本塁フォースアウト。続く堂林も空振り三振に倒れ、追加点を奪えなかった。この勝負手の不発が尾を引いた。

 最少リードが重圧になったのか。8回に投入したターリーは5月12日巨人戦以来10試合ぶりに失点。そして最後は栗林が打たれた。

 今季6度目のサヨナラ負けで、連勝も4で止まった。だが、下を向いている暇はない。きょう11日の相手先発は佐々木朗。“令和の怪物”を打ち崩し、6年ぶりのロッテ戦勝ち越しを再進撃の号砲とするのみだ。(長谷川 凡記)

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