青学大・佐々木 井口氏イメージ弾!初回右方向へ先制ソロ 全3戦2桁安打の強打で18年ぶり日本一王手

[ 2023年6月11日 04:30 ]

第72回全日本大学野球選手権第5日・準決勝   青学大5-2富士大 ( 2023年6月10日    神宮 )

<富士大・青学大>決勝進出を決め歓喜する佐々木(中央左)ら青学大ナイン(撮影・木村 揚輔)
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 準決勝2試合が行われ、明大と青学大が決勝に進んだ。明大は春のリーグ戦で先発登板がなかった久野悠斗投手(2年)が先発で5回無失点と好投し、6―0で白鴎大に勝利。青学大は初回に佐々木泰内野手(3年)が先制ソロを放って流れに乗り5―2で富士大を下した。11日の決勝は今大会無失点の明大が4年ぶり7度目、計19得点の強打・青学大が18年ぶり5度目の頂点を目指してぶつかる。

 佐々木のイメージは明確だった。以前、青学大の先輩で前ロッテ監督の井口資仁氏が全日本大学野球選手権で本塁打を放った場面を動画で視聴。その時に「偉大な先輩がいることを誇りに思ってプレーする」と誓った。初回1死、その先輩がネット裏で見守る前で逆方向の右越えへ先制ソロを放った。

 打線の火付け役は昨年の大学日本代表でリーグ通算9本塁打の攻撃的2番。勢いに乗った打線は3回までに4点を奪った。全3試合で2桁安打を記録して勝ち進み05年以来18年ぶりの優勝に王手。「目標は日本一。やっと舞台に立てた」と明大との決戦を見据えた。

 試合後、同じ右打ちで日米通算2254安打を記録した井口氏は佐々木について「右方向にしっかり打った。いい準備をして(プロ入りへ)頑張ってほしい」とエール。そして「明治も強いけど頑張ってほしい」と願った。この大会で優勝4度、準優勝1度の強豪は15~20年まで2部落ちを経験。ヤクルト・石川から大会期間中に硬式球が届くなど、OBは黄金期復活を願う。

 県岐阜商時代は何度も涙した。出場を決めていた3年春の20年選抜はコロナ禍で大会中止。独自大会となった夏は感染者が出たため出場辞退となった。日本一を目指すことすら許されなかったが、腐らずに努力を重ね「あの経験があったからこそ頑張ることができた」と胸を張る。

 12年以来11年ぶりとなった東都勢VS東京六大学勢の頂上決戦。通算7勝14敗と負け越しているが佐々木は「去年は亜細亜が優勝してくれたので東都2連覇を果たしたい」と誓う。強い思いをバットに込め、頂点へのアーチを描く。(柳内 遼平)

 ◇佐々木 泰(ささき・たい)2002年(平14)12月24日生まれ、岐阜県出身の20歳。小学1年から野球を始め、中学時代は岐阜ボーイズに所属。県岐阜商では1年春からベンチ入り。青学大では1年春からリーグ戦デビューし、通算55試合出場で打率・263、9本塁打、23打点。座右の銘は「石の上にも三年」。1メートル77、77キロ。右投げ右打ち。

 ▼青学大・河原井正雄前監督(ネット裏でOBの井口資仁氏と観戦)最高ですね。たくさんの人の応援があったし、井口も来てくれた。僕らは“六大学に負けてはいけない”と思って練習してきた。明治は強い。簡単にはいかないと思うが頑張ってほしい。

 ▼富士大・安田慎太郎監督(善戦も競り負け)青学大は予想どおり強かった。ヒット数は(11本で)上回ったけど勝負強さの差が出た。

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