明大 二枚看板温存で日本一王手 先発抜てき2年生左腕・久野が最速152キロで5回零封

[ 2023年6月11日 04:30 ]

第72回全日本大学野球選手権第5日・準決勝   明大6-0白鴎大 ( 2023年6月10日    神宮 )

<白鴎大・明大>決勝進出を決め、笑顔の久野(右)ら明大ナイン(撮影・木村 揚輔)
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 準決勝2試合が行われ、明大と青学大が決勝に進んだ。明大は春のリーグ戦で先発登板がなかった久野悠斗投手(2年)が先発で5回無失点と好投し、6―0で白鴎大に勝利。青学大は初回に佐々木泰内野手(3年)が先制ソロを放って流れに乗り5―2で富士大を下した。11日の決勝は今大会無失点の明大が4年ぶり7度目、計19得点の強打・青学大が18年ぶり5度目の頂点を目指してぶつかる。

 試合前、先発投手を告げるアナウンスで神宮がどよめいた。「明大の先発ピッチャー、久野君」。プロ注目の村田でも、蒔田でもない。今季リーグ戦で救援で2試合に登板したのみの左腕・久野が先発。5回5安打無失点で、二枚看板温存での決勝進出に貢献した。

 いきなり初回に無死二、三塁とされたが「ここまで村田さん、蒔田さんがゼロでつないできたのに自分が崩していいのかと思った瞬間、スイッチが入りました」とギアを上げる。簡単に2死を取り5番の初球には今大会最速にあと1キロに迫る自己最速の152キロを計測。無失点で切り抜けると5回までゼロを並べ、役目を果たした。「5回で降りたのは申し訳ない」と話したが、9日に先発を告げた田中武宏監督は「来季以降、中心になる投手。早いうちから全国大会で先発させたかった」と起用した理由を語り、合格点を与えた。

 昨秋に左肘のじん帯を痛め3カ月間のノースロー。投球開始は春先までずれ込んだ。直近の登板となった5月31日のフレッシュトーナメントの東大戦は4回1失点と万全ではなかったが、大一番に間に合わせ、先発に抜てきされたマウンドでチームを決勝に導いた。

 決勝の相手は東都の覇者・青学大。チームは3試合、計25イニング無失点の投手力を前面に出し、7度目の日本一を狙う。「準優勝はいりません。先輩たちが築いた伝統を、選手がつないでくれると思う」と田中監督。久野も「明日も抑えられるように頑張る」と呼応した。決勝に進出すれば過去6度負けなしという不敗神話を継続する。(伊藤 幸男)

 ◇久野 悠斗(ひさの・ゆうと)2003年(平15)10月7日生まれ、兵庫県出身の19歳。御崎小2年から野球を始め4年から投手。赤穂東中時代は「佐用スターズ」に所属し、エースで3年春に全国大会8強。報徳学園では1年秋から背番号10でベンチ入りし、2年秋から背番号1。1メートル86、90キロ。左投げ左打ち。

 ▼白鴎大・藤田慎二監督(明大に力負けも初の4強入りに)選手は歴史の扉を開いてくれた。

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