阪神ドラ1・森下 圧巻の15発に岡田監督“方針転換”「紅白戦呼ぶよ」 15日対外試合デビューも

[ 2023年2月6日 05:15 ]

岡田監督(左)に見守られながら、フリー打撃を行う森下  (撮影・成瀬 徹)
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 阪神のドラフト1位・森下翔太外野手(22=中大)が沖縄・具志川キャンプ第2クール2日目の5日、屋外フリー打撃でバックスクリーンへの4本を含む15本の柵越えを披露した。視察に訪れた岡田彰布監督(65)は当初予定になかった11、12日に行われる1、2軍合同の紅白戦に1打席限定で出場させることを示唆。早ければ15日の楽天との練習試合(金武)で対外試合デビューする可能性も浮上した。

 称賛の言葉は必要ない。“見れば分かる”パフォーマンスだった。具志川球場に吹き付ける海風にも乗り、森下が捉えた打球が次々に外野の芝生に突き刺さる。ドスン、ドスン――。その度に客席からは拍手が起こった。

 「飛ぶところはしっかり飛んでくれたので、パワー自体は戻ってくるどころかパワーアップしてるのかなと」

 78スイングで柵越えは15本を数えた。出色だったのはカーブマシンと対じした時間。中堅から逆方向を意識するスイングでバックスクリーンへ4本を放り込み、右中間、右翼へもそれぞれ1本叩き込んだ。「引っ張るだけじゃなく逆方向、センター方向に伸びる打球が打てるというのが持ち味だと思うので、そういう形でバックスクリーンに入ったのは良かった」。右足の肉離れの影響で屋外フリー打撃はまだ、2日に続いて今キャンプ2度目。「できる範囲の中の100%は出せた」という言葉からも、ドラフト1位が誇る底知れぬ潜在能力の高さが浮かび上がる。

 「良さっていうか、もう見てのまんまやろ、そんなん。見とったら分かるやんか」

 ベールを脱いだ背番号1に、岡田監督もうなるしかなかった。この日は午後から具志川球場を視察。時間を合わせるように始まった森下の“アーチ量産”を、目の当たりにすることができた。

 説明不要のアピール成功に、指揮官は実戦デビューを急きょ決めた。新人合同自主トレから別メニュー調整が続いており、11、12日の1、2軍合同紅白戦は回避することが濃厚だった。それが一転、「呼ぶよ。1打席ぐらい立たせたろかと言うとったけど」と方針を変更。1、2軍の行き来が容易になったからこそ可能になった“前倒しプラン”に、森下も闘志をたぎらせた。

 「1打席でもチャンスをもらえるのであればできる力を出して」

 9日からの第3クールから全体練習にも合流予定で状態は確実に上向く。岡田監督は対外試合についても「あと10日とかそれぐらいで(1軍に)合流できれば十分取り返せる。15に楽天戦があって、16も(2軍で中日との練習試合)あるみたいやから、そのへんで出られたら」と言及。それほど次が見たくなる素材ということだろう。

 「自分のできることをアピールして開幕スタメンいけたら最高かなと思うので、そこに向けて頑張れたら」。華々しい一年を予感させる“号砲”だった。(遠藤 礼)

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2023年2月6日のニュース