岩手に新怪物!盛岡中央・斎藤 152キロ完封!自己最速2キロ更新 球場表示は156キロも「多分バグ」

[ 2022年7月19日 04:00 ]

第104回全国高校野球選手権岩手大会2回戦   盛岡中央4-0花巻南 ( 2022年7月18日    しんきん森山 )

<花巻南・盛岡中央>自己最速の152キロを計測して1安打完封勝利を挙げた斎藤(撮影・柳内 遼平)
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 第104回全国高校野球選手権大会(8月6日から17日間、甲子園)の出場を懸けた地方大会は18日、各地で235試合が行われた。岩手大会では盛岡中央のプロ注目の右腕、斎藤響介投手(3年)が花巻南を相手に先発し、自己最速を2キロも更新する152キロをマークするなど1安打完封勝利。またも岩手から怪物投手の誕生を予感させた。

 日の出前の午前4時。今日は地面を叩く雨音が聞こえない。斎藤は自宅の枕元で目覚ましのアラームを止めた。3日連続の雨天順延などもあり、12日の1回戦の先発から中5日。「雨で流れたおかげで準備ができた」と体は万全だった。

 菊池雄星(ブルージェイズ)、大谷翔平(エンゼルス)、佐々木朗希(ロッテ)に続きまた岩手から投手の怪物候補だ。力感のないフォームから繰り出す直球にフォークなど変化球を織り交ぜ1安打完封勝利。7三振も奪い「夏の大会で9回を投げ切ったことがうれしい」と胸を張った。

 6球団11人のスカウトも含め、誰もがスピードガンに注目した。昨夏に149キロを記録した右腕は3回完全投球を披露した1回戦の江南義塾盛岡戦で自己最速を1キロ更新して大台の150キロに到達。進化は続く。この日は2回に151キロを投じると3回先頭の5球目に152キロを記録。斎藤は「思い切り投げたら(最速更新に)いったのでよかった」と淡々と振り返ったがロッテの榎康弘スカウト部長は「あの(細い)体で力強い直球を投げられることは魅力。出力が上がれば、もっとスピードが出る」とさらなる成長に期待する。

 春は県大会1回戦の久慈東戦で8回9失点を喫して8回コールド負け。試合後は「自分のせいで負けた…」と号泣した。コロナ禍で実戦などが不足したことが不調の主な原因だったが、今回は万全で挑み、テイクバックの際に背中側に寄っていた重心も修正。能力を存分に発揮している。

 9回1死から右飛に仕留めた2球目は球場表示が156キロ。視察したスカウトの計測では144キロだった一球を、斎藤は「多分、バグというか…。違うと思う」と冷静に笑う。狙うは99年夏以来、チーム2度目の甲子園。次は正真正銘の156キロでバズってみせる。(柳内 遼平)

 ◆斎藤 響介(さいとう・きょうすけ)2004年(平16)11月18日生まれ、岩手県滝沢市出身の17歳。小3から竹の子スポーツ少年団で野球を始め、滝沢中では軟式野球部に所属。盛岡中央では1年夏からベンチ入りし、2年夏から背番号1。憧れの選手はオリックス・山本。50メートル走6秒5。遠投105メートル。1メートル77、72キロ。右投げ右打ち。

 ▼巨人・円谷英俊スカウト カットボールは打者の近くで急激に曲がる。どの球種でもしっかり(内外角に)投げ分けができている。調整が遅れていた春より、もう一段階上がってきた。

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2022年7月19日のニュース