264年の伝統だ!福岡県最古の学校 ノーシード育徳館が強豪シード大牟田をサヨナラ撃破

[ 2022年7月19日 06:00 ]

第104回全国高校野球選手権福岡大会・4回戦   育徳館4-3大牟田 ( 2022年7月18日    久留米 )

<育徳館・大牟田>同点の9回裏2死一、二塁に育徳館・森友が中前にサヨナラ打、ジャンプして喜ぶ
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 福岡大会では藩校が起源で県内最古の歴史を誇るノーシード校、育徳館がシード校の大牟田を破り16強に進んだ。同点の9回裏に森友響(3年)がサヨナラ打を決めた。大分大会では、佐伯鶴城が渡辺正雄監督の前任校でもある大分商に8―3で勝ちベスト4に駒を進めた。

 学校創設264年。福岡県最古の伝統を持つノーシード、育徳館が強豪シードの大牟田をサヨナラで破り6年ぶりのベスト16に進出した。

 立役者は中学時代からのチームメートコンビだ。同点の9回裏2死一塁。背番号19の那賀孔珀(こはく=2年)が「(次打者の)森友さんは頼れるバッターなので何としてもつなごうと思い切りバットを振った」と左前打。一、二塁にチャンスを広げると森友は「那賀が2死から回してくれた。彼に負けないよう自分もカッコいいところを見せないといけないと思った」と中前サヨナラ打で走者を迎え入れた。

 森友と那賀は北九州市出身で中学時代に硬式の門司ボーイズでプレー。先に育徳館に進んだ森友が「一緒にやろう」と那賀を誘い、京都郡みやこ町にある同校寮では昨年1年間同部屋で過ごし、築いた強い絆が土壇場の劇的勝利につながった。

 育徳館は江戸時代の宝暦8年(1758年)に創設された小倉藩校・思永斎に起源を持ち旧制豊津中、豊津高と変遷を経て長い歴史を誇る中高一貫校。「生徒たちがよくがんばった。伝統は意識していなくてもOB会のみなさんの後押しは選手の大きな力になった」。2011年に夏4強入りしたときのメンバーで、就任1年目の今村圭佑監督(27)は目に見えないパワーに感謝した。(中島 泉)

 ○…7安打を許しながら粘り抜いた背番号1の右腕、山口は「相手はシード校なので序盤は緊張した。でも5、6回あたりから楽しもうと思って投げた」。9回に3安打で同点に追いつかれたが、さらに2死一、三塁のピンチを三振で取り、勝ち越しを許さずサヨナラ勝ちにつなげた。

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2022年7月19日のニュース