ハマっ子総立ち!DeNA山崎康 守護神復活3S「いろんな思いが」

[ 2017年5月21日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA6―4巨人 ( 2017年5月20日    横浜 )

<D・巨>最後を締めた山崎康は戸柱(右)とハイタッチ
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 DeNAの山崎康晃投手(24)が20日の巨人戦で9回に登板し、1回無失点で4月9日以来の3セーブ目を挙げた。不調のためスペンサー・パットン投手(29)に抑えの座を譲った右腕。中継ぎで無失点を続け、この日からパットンと再び役目を交代した。勝率5割以下をうろつくチームを、セーブを重ねて浮上させる。

 一番の大歓声が降り注いだ。6―4の9回。登場曲「ケルンクラフト400」が流れると、満員のスタンドが総立ちになって恒例の「ヤスアキジャンプ」で迎えた。

 「ちょっと緊張しました。いろんな思いがあったが、2年間やってきたポジション。マウンドで力を出せるようにと思っていた」

 自身16試合ぶりの抑えでの登板。リリーフカーを降りる時の硬い表情は、マウンドに上がると一変した。鋭い目で、伸びやかに腕を振る。先頭の脇谷に左前打を許したものの、続く亀井を宝刀・ツーシームで遊ゴロ併殺に仕留めた。最後は村田を150キロ直球で空振り三振。3人で試合を締めた右腕は、気迫に満ちた顔で雄叫びを上げた。

 プロ野球史上初めて新人から2年連続30セーブをマーク。今季も開幕をクローザーとして迎えたが、4月13日の阪神戦(横浜)、翌14日のヤクルト戦(同)と続けて救援に失敗して抑えを外された。中継ぎへの配置転換を告げられた夜。悔しさを押し殺しながら、一人、何時間も車を走らせた。

 「絶対に抑えに戻るという強い気持ちを持っていた」。結果を残し続けることが、本来の場所に戻る唯一の方法だと切り替えた。中継ぎ初登板から15試合連続無失点と驚異の働きを見せた。

 前日19日にパットンがセーブに失敗。試合前にラミレス監督に呼ばれた。「9回を任せる」と2度目の配置転換を伝えられ、「頑張ります!」と力強い握手を交わした。同時に、言われた言葉を心に焼き付けた。

 「今は臨時の抑え。シーズン最後までポジションをキープするかは君次第だよ」

 立場は十分に理解している。「抑えに戻ったからといって満足はしていない。もっと進化しないといけないし、もっとやれる。絶対的守護神と言われるところまで上り詰めていきたい」。まだ今季のセーブは3つ。山のように積み上げる心意気だ。 (中村 文香)

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