オリT―岡田 あえて“嫌われ役”に「年上の人でもハッキリ…」

[ 2017年1月3日 05:30 ]

オリックスのT―岡田
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 オリックスのT―岡田外野手(28)が2017年の抱負を語った。新たに選手会長に就任した生え抜き12年生は、今季中にも国内フリーエージェント(FA)権を取得するが、昨年末に3年契約を結んだ。オリックス愛を貫いて、12球団一優勝から遠ざかるチームを引っ張る。 (取材・構成 湯澤 涼)

 ―生え抜きの台頭が求められる中、選手会長に就任。どうチームを、けん引するのか。

 T―岡田 僕がチーム内で、どう思われているかは分からないですけどね。選手自身では気が付かない部分というか、周りが気が付く部分は、監督やコーチが言う前に僕らが言う。そういうことはやっていきたいですね。気の利いたことは言えないタイプなので、プレーで引っ張っていかないといけないとは思っています。注意されて嫌な気持ちになる人もいると思うけど、“嫌われ役”でもいいので。プレーで引っ張ることができるように、年上の人でもハッキリ言っていこうと思っています。

 ―昨年、チームは4年ぶりの最下位転落。優勝争いした14年とは戦う姿勢や雰囲気は違ったか。

 T―岡田 そういう部分はありましたね。14年は、言ってしまえば勢いがありました。うまいこと行き過ぎた部分もありましたけどね。変な勘違いでもいいから“できるんだ”という自信を持たないといけないとは思う。変な勘違いでも、それをプラスに変えられたら、それでいいと思うので。

 ―昨季の雰囲気は。

 T―岡田 正直、少し暗い印象がありました。最後まで盛り上がりに欠けたという感じでした。僕自身も、シーズン後半から声を出したり、チームの雰囲気を変えようとした部分はありました。ただ、それに、なかなか周りが付いて来てくれないというか、反応しないというか。勝てない時期が長すぎたこともあったので仕方ないのかもしれないですが、後に続くということがあまりなかったようには思います。

 ―苦しいシーズンだった。

 T―岡田 本当に勝てない時期が長かった。僕自身、どうモチベーションを維持したり、気持ちを上げて行けばいいのか悩んだこともありました。安達や福良監督と、いろいろな話をしました。福良監督はよく“最後まであきらめないこと”という話をされました。“応援してくれるファンの方がいるのだから、最後まで全力でやらないといけない”という話をしたこともありました。チームが変わるには、こういった気持ちを選手、チーム全員が持つことが必要なんだと思います。僕は先頭に立ってやらないといけない立場なので、その意識を変えていきたい。変わらないといけない部分は多いと思うので、1年で変わるのは難しいかもしれないですが、もっと選手たちの意識を変えて行けたら、自然と結果も変わるのではと思います。

 ―96年の日本一から20年以上優勝に縁がなく、12球団一頂点から遠ざかるチームになった。

 T―岡田 もちろん優勝したい気持ちは強くありますし、悔しい思いもあります。やっぱりプロでやっている以上、それは思いますよね。昨年の広島を見て特に思いました。40、50発本塁打を打つ打者がいるわけでも、(糸井)嘉男さんのように、50盗塁以上する選手がいるわけでもない。その中で、ああいう結果になったということは、やはりチーム力だったり、勢いだったりだと思います。そういうのが僕らにも生まれれば、僕らも絶対に優勝できると思うので。

 ―ビールかけの憧れ

 T―岡田 プロでやっている以上、もちろんあります。ビールは飲めないんですけどね。お酒はダメです。最初の一口も厳しい。二口、三口でもうダメですね(笑い)。家族も飲めないので、遺伝なんだと思います。注射の時のアルコールでも腕が赤くなっちゃうくらいです。でも、もし優勝できたら、選手会長ですから、ものすごい勢いでビールをかけられそうですね。倒れちゃいそうだけど、それでもビールかけは絶対にしたいです。

 ―今季中にもFA権を取得するが、昨年オフに3年総額3億円プラス出来高払いで更改した真意は。

 T―岡田 単純に“このチームで勝ちたい”という気持ちが大きかった。高校から入って、12年目。やっぱりこのチームで優勝したい。本当にファンの人に育ててもらいましたし、恩返ししたいという気持ちも強いですね。

 ―揺らぐ部分も正直あった。

 T―岡田 はい。正直すごく悩みましたね。11月の終わりくらいに(3年契約の)話をいただきましたから、交渉の日まで10日くらいですかね。本当に悩みました。(契約交渉)当日の朝も、まだ悩んでまして、結局どうするか決まらないまま交渉へ行きました。これからの3年間っていうのは、僕個人にとっても年齢的に、とても大きい3年間になると思いましたし、でも、まだ取ってない権利ですから、“そんなところまで考えても”とも思いました。選手会長になったのも、何かの縁だと思ったので決めました。

 ―球団からの言葉も響いた部分もあるのか。

 T―岡田 球団からは“オリックスを良くする上で、Tの力がどうしても必要。生え抜きとして、頑張ってもらいたい”という言葉をもらいましたね。やっぱり、“引っ張ってほしい”とか、そういう言葉から必要とされていると強く感じました。環境を変えて、自分自身、新しい挑戦をするという気持ちも、選択肢の一つではありましたけど、イベントなどで、たくさんのファンの方から“3年契約を結んでくれてありがとう”って言ってもらえたので、選択した答えは間違っていなかった、良かったのかなと思っています。

 ―チームは、中心選手だった糸井が阪神へFA移籍。目玉だった日本ハムからFA宣言した陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)の獲得に失敗した。厳しい見方もある。

 T―岡田 もちろん嘉男さんは戦力として大きいですけどね。優勝争いした14年も、ペーニャとか入ってきましたけど、大型補強といったものではなかったですよね。それでもチームが噛み合って良い試合ができた。今回、当時と似ている雰囲気があると思っているんです。14年の時は(平野)恵一さん(現阪神打撃コーチ)ら先輩方が引っ張ってくれ、盛り上げてくれました。僕は恵一さんと同じことをするわけではないけど、僕なりに何とかできることを、やっていきたいなと思います。

 ―リーダーシップが求められる立場となり、春季キャンプはどう引っ張る。

 T―岡田 練習でも、それ以外の時間でも、雰囲気は変えたいですよね。明るく楽しく元気よく、ではないですけど、明るく楽しく。本当に集中するところは、しっかりして。僕が厳しくって言うと少しおかしい部分がありますが、メリハリは大事かなと思います。あとは“良い声”を出していくことが大事ですね。意味のある声を出すこと。ただワーワー言うのではなくて。僕だけでなく、みんなも声を出してくれれば、また違ったチームになるのではないかなと思う。やっぱり意識だと思います。とにかく、このチームで優勝したいです。

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