メッセ タイトルより「G倒」で優勝 9連戦の先陣切る

[ 2014年9月9日 07:00 ]

ウインクしながらサムアップのメッセンジャー

 個人タイトルより「G倒」しか頭にない。9日から幕を開ける9連戦。首位・巨人、2位・広島、強打のヤクルトと続く最後のヤマ場の先陣を切るのは阪神・メッセンジャーだ。現在、防御率(リーグ4位)勝利数(同1位タイ)奪三振数(同1位)と勲章を総ナメできる数字を残すが「獲れればもちろんいいけど、チームの勝利、優勝のことだけを考えてやっていく」。力強い言葉の節々に、逆転優勝への決意がにじみ出ていた。

 「こんな状況なので、初戦の投手が勝ちをつけるのは大事。勝てばチームも勢いがつくし、いい形で進んでいける」

 名古屋で喫した悪夢の3連敗。ここで終わりにはしない。宿敵とは残り20試合で4・5差開いている。厳しい現実に変わりはないが、あくまで数字上のこと。勝ち続けることで、必ず道は開ける。今季8試合目となる巨人戦での登板。すでに4勝を挙げており、年間5勝となると67年バッキー、88年キーオに並ぶ球団助っ人タイ記録だ。ただ、それも後からついてくるもの。「いい投球をして、チームに勝つチャンスを与えるだけだ」。目の前の打者を倒し、一つでも多く猛虎に白星をもたらす気概でいる。

 昨季は一度もなかった巨人戦での先発マウンド。今年1月下旬に来日した際には「見ているだけではつまらない」と伝統の一戦でのスターターを熱望していたほどだ。ほとばしる「打倒・巨人」の思いを結果で証明してみせた。4勝無敗だけでなく、防御率も1・94。レギュラーシーズンでは最後となる激突。必ず勝ち、先に待ち受ける宿敵との短期決戦へ弾みもつけたいところだ。

 巨人戦の次は中4日で14日の広島戦へ向かう。佳境に入った14年シーズン。もうひとつも落とせない中でのフル回転だ。窮地に立たされている今だからこそ燃える。背番号54の右腕で、遠ざかった「栄冠」をもう一度たぐり寄せる。

続きを表示

2014年9月9日のニュース