松井4タコも本塁打紙一重の大飛球「いい打撃だった」

[ 2012年5月17日 06:00 ]

<ダーラム・ポータケット>4回無死、松井秀喜は本塁打か!?と思わせる大飛球を放ったが結果は右飛

インターナショナル・リーグ ダーラム2-8ポータケット

(5月15日 ダーラム)
 レイズとマイナー契約を結んでいる松井秀喜外野手(37)が15日(日本時間16日)、傘下の3Aダーラムに合流し、ポータケット戦に「4番・DH」で初出場した。マイナーとはいえ、公式戦出場は昨年9月28日以来。4打数無安打ながら、第2打席では右翼へあとわずかで本塁打という大飛球を放った。松井にとって、メジャー昇格を懸けたサバイバルレースが本格的に幕を開けた。

 わずかな感覚のズレがスタンドまで約1メートルの伸びを奪った。4回。内角寄りのカットボールを叩いた大飛球は、右翼手がフェンスに激突しながら好捕した。相手投手はメジャー通算23勝の実績がある右腕ダックワース。松井は「いい打撃だったと思う。多少詰まっていましたけど」と納得顔で振り返った。

 第4打席は昨季アストロズで20セーブを挙げたメランコンの前に一ゴロ。「今まで(延長キャンプの練習試合)よりレベルが高かった」投手と対戦し、4打数無安打に終わったが、全打席で大きな歓声を浴び「ただ感謝している」と話した。

 午前中にカナダ・トロントでビザ発給手続きを終え、試合開始2時間半前に球場入り。慌ただしいスケジュールの中でも、「(メジャーの時と)一緒」というルーティンを貫いた。打席間には投手を観察しつつベンチ内を歩き、ストレッチで体を温める。打席が近づくとベンチ内や裏で素振り。これまでの練習試合は4試合で18打数8安打1本塁打と結果を残してきたが、毎回打席に入る変則ルールで、投手のレベルも低い。ここからが本当の戦いとなる。

 グラウンドでは、クイズ、玉入れ、着ぐるみ相撲などさまざまなイベントが催され、マイナー特有の牧歌的ムードが広がった。しかし、背番号55からは正反対の張り詰めた空気が放たれていた。「一日でも早く上がれればいいと思うしそのためにしっかりと結果を出さないといけない」。レイズは左翼手のジェニングズら主力に故障者が出ており、松井に早期メジャー昇格のチャンスはある。自ら可能性を切り開くには、とにかく「結果」しかない。

 ≪松井の3A初戦フィーバー≫
 ☆広告 バックネット下には「男のエステ ダンディハウス」の広告が登場し、会見場のボードには「アディーレ法律事務所」が掲出。同事務所のキャッチフレーズは「人生と事業の再出発をサポート」と、今の松井にはぴったり?
 ☆チケット 松井加入で「売り上げが急増」と担当者。松坂と対戦濃厚な17日(日本時間18日)は「飲食物1ドルデー」と重なり満員の可能性も。
 ☆グッズ 松井Tシャツは入荷が間に合わず、グッズ店では購入したユニホーム、Tシャツの無地の背中に、名前と背番号を追加料金でアイロンプリント。17日までには店頭に並ぶ予定。
 ☆表紙 球団公式マガジンの表紙を飾り、特集が組まれる。「ワールドシリーズMVPがダーラムに来る」の見出し。

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