斎藤 思い出の品なく“裸一貫”入寮!

[ 2011年1月12日 06:00 ]

多くの報道陣を背にリモワの鞄を持って寮に入る日本ハム・斎藤(中)

 日本ハムのドラフト1位・斎藤佑樹投手(22=早大)が11日、千葉県鎌ケ谷市の「勇翔寮」に入寮した。新生活の拠点に、数々の栄冠を誇った早実、早大などアマ球界時代の思い出の品は一切持ち込まず裸一貫の入寮。平日にもかかわらず約300人のファンが詰めかけるフィーバーぶりにパトカーも出動する中、プロの第一歩をしるした。12日からは新人合同自主トレーニングもスタート。いよいよファイターズの一員として始動する。 

 午後2時40分、グレーのスーツに身を包んだ斎藤がタクシーから降り立った。「斎藤くーん」。300人のファンから上がった歓声に対して軽く一礼した黄金ルーキーは、さっそうと新居に足を踏み入れた。

 「一度来て間取りを見ているので…。きれいな寮だなと思います。ずっと早稲田の寮にいたので心機一転ですね。何号室とかは言えませんけど」

 午前7時に起床した斎藤は、群馬の自宅を午前中に出発。途中でタクシーに乗り換えて鎌ケ谷入りした。昨年12月14日に寮の視察を済ませて、段ボール5箱分の日用品は前もって送っている。だが、その荷物の中に栄光に彩られた戦利品の数々はない。「早稲田時代の思い出のものは置いてきました。また一からのスタートです」。日本ハムの一員として裸一貫から出発するための、斎藤なりのけじめだった。

 昨年の流行語大賞で特別賞を受賞した「持ってる」発言もお預けする。「そういうことはあったけど、今年からは新人として頑張るだけ。また応援してもらえるようになりたい」。良き仲間とともに、切磋琢磨(せっさたくま)しながら技術を磨いてきたアマ野球から、弱肉強食のプロ球界へ。自ら選んだ道の厳しさを理解しているからこそ、白紙の状態からスタートしたかった。

 そんな斎藤を一目見ようと、ファイターズタウンには3連休明けの平日昼間ながら約300人のファンが詰めかけた。日本テレビ系情報番組「ミヤネ屋」は入寮の瞬間を生中継。清原、松坂(ともに西武)ら過去の大物新人入寮時をはるかにしのぐ31社約200人の大報道陣も集まった。さらには、入寮直後の午後3時過ぎにはパトカーも出動して施設を周回。鎌ケ谷警察署によれば「16日に新入団歓迎式があるのできょうはどの程度の人出が出るのか見てみたかった」。パトロールを兼ねた事前視察であったことを明かした。

 12日から新人合同自主トレがスタートする。周囲の注目が日を追うごとに高まる中で、斎藤は「キャンプまで1カ月、時間があるのでケガをしないようにゆっくりやりたい。期待より不安の方が大きいけど…。プロ1年目で何も分からないので、とにかく慎重にやりたい」と自然体を強調した。すべての栄冠をリセットして。黄金ルーキーが、新たなスタートを切る。

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