挫折知る2年目・矢貫“泥くさく”初白星

[ 2010年6月29日 22:24 ]

 【日本ハム6―4西武】4度目のマウンドで、プロ初勝利を手にした。日本ハムの2年目、矢貫が5回1/3を2失点。泥くさくつかんだ1勝に「もともと、うまくいくタイプじゃないので」と照れ笑いを浮かべた。

 190センチの長身から投げ降ろす速球と、落差の大きなカーブが目を引く。前回、登板した23日のソフトバンク戦では9点の大量リードをもらいながら、2本塁打を浴びて四回途中で降板。勝利投手の権利を逃した。
 「悔しくて情けなかった。前回と同じような失敗は繰り返さない」。強い気持ちで挑んだこの日、五、六回に1点ずつ失ったものの、粘り強く、丁寧に攻めた。
 福島県出身。東北の名門、宮城・仙台育英高では控えに甘んじ、準優勝した高校3年生の春の選抜大会ではアルプススタンドで応援の太鼓をたたいていた。挫折だらけだったからこそ、逆境に強い。
 ことし1月に急逝した小林前2軍投手コーチから「力対力では、一流の選手に勝てない。常に頭を使え」と、プロの世界で生き抜くすべを伝授された。遅咲きの26歳は「きょうは守備に助けられたので、いつか僕がみんなを救える投手になりたい」と、さらなる高みを見据えた。

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2010年6月29日のニュース