ジャクソン 史上最多球数でノーヒッター!

[ 2010年6月27日 06:00 ]

9四死球を与えながら、ノーヒットノーランを記録したダイヤモンドバックスのエドウィン・ジャクソン(中)

 【ダイヤモンドバックス1-0レイズ】ダイヤモンドバックスのエドウィン・ジャクソン投手(26)が、快挙を成し遂げた。25日(日本時間26日)、セントピーターズバーグで行われた古巣レイズ戦で8四球を含む9四死球を与えながら、ノーヒットノーランを記録。149球での達成は大リーグ史上最多球数だった。ダ軍では04年5月18日のブレーブス戦でランディ・ジョンソンが完全試合を記録して以来2人目。今季大リーグの無安打無得点試合は2度の完全試合を含め4度目となった。

【試合結果


 遊遊撃手が最後の打球を処理する前からガッツポーズをしていた。史上最多の149球。歴代3位の8四球に加え1死球と荒れたが、ジャクソンは最後まで安打だけは許さなかった。1―0で挙げた今季5勝目(6敗)は、無安打無得点試合となった。
 チームメートから顔面に祝福のシェービングクリームを浴びせられたが「素晴らしい気分。きょうは特別な日になった。決して忘れない」。満面の笑みは消えなかった。
 ノーヒッターでも負けていたかもしれない。3回には3連続四球で無死満塁のピンチ。味方の好守にも助けられた。この回までに7四球。首脳陣はブルペンの救援投手に準備させたが、5回あたりから記録を意識したという本人は「最後まで球数は気にしなかった」。四球が三振数を上回ったが「序盤があれだったから」とどこ吹く風だ。
 ドジャース時代の03年、20歳の誕生日にメジャーデビュー。当時は野茂がエースとして君臨し、石井一(現西武)も在籍していた。100マイル(約161キロ)右腕のジャクソンも将来を有望視されたが、制球難から結果を出せず、06年にデビルレイズ(現レイズ)に移籍。08年には14勝してワールドシリーズ出場に貢献するも、昨季はタイガース、今季はダ軍と転々としていた。
 年間4度目の無安打無得点は1990年以来20年ぶり。その中でも風変わりな形での達成だったが、低迷するダ軍には明るい話題となった。

 ≪日本では144球が最多≫日本プロ野球でのノーヒットノーラン84試合のうち球数がもっとも多かったのは、中尾輝三(巨)が1リーグ時代の41年7月16日名古屋戦でマークした際の144球。最多四死球は、同じく中尾が39年11月3日セネタース戦で記録した10個。年間の回数は、1900年以降の大リーグでは7試合(90、91年)。日本プロ野球は5試合(40、41年)が最多(日米ともに継投含む)。

 ◆エドウィン・ジャクソン 1983年9月9日、ドイツ生まれの26歳。01年ドラフト6巡目でドジャース入団。03年にメジャー昇格を果たした。06年にレイズへトレード移籍、08年は14勝でリーグ優勝に貢献した。09年はタイガースでプレーし、昨年12月にトレードでダイヤモンドバックスに移籍した。通算155試合で43勝45敗、防御率4・66。1メートル91、95キロ、右投げ右打ち。

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2010年6月27日のニュース