スンヨプ韓国に祝報!復活のろし今季1号

[ 2009年3月11日 06:00 ]

<巨・広>3回無死、一塁、右中間に2ランを放つ李スンヨプ

 巨人の李スンヨプ内野手(32)が10日、広島戦の3回、今オープン戦初本塁打となる右中間2ランを放った。昨年の打撃不振もあって、シーズンに集中するためにWBC韓国代表も辞退して臨む今季。新外国人アルフォンゾとの一塁レギュラー争いへのアピール弾とともに、9日の順位決定戦で東京ラウンドを1位で通過した母国チームメートを祝福する一発にもなった。

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 両手に残る感触が心地良かった。3回無死一塁。李スンヨプは左腕・篠田の2球目、外角に甘く入ったスライダーを完ぺきにとらえた。中堅右のスコアボードを直撃する125メートル弾。巨人が山口・周南市でオープン戦を行うのは長嶋政権時の00年以来9年ぶり(当時徳山市)。集まった1万590人観衆を喜ばせた。
 「WBCの参加を断って今年に懸けている。その分やらなきゃいけない」。昨年北京五輪では準決勝、決勝で本塁打を放ち母国を初の金メダルへと導いた。その一方で巨人では打撃不振から出場わずか45試合。打率・248、8本塁打と来日5年目で最低の成績に終わった。「野球人生で最悪の1年だった」。その雪辱から今回WBCの代表を辞退したが、その一方で前日の順位決定戦で日本に雪辱した韓国ナインの姿をテレビで見て「一緒にやりたいと思いました」と本音も漏らした。
 だが、シーズン56本塁打のアジア記録を持つ「韓国の英雄」のプライドもある。日本で成績を残せないまま終わるわけにはいかない。母国の意地を見せつけられて「僕は巨人で必ず結果を残す」という思いも強まった中で3打数3安打。単打2本は直球、本塁打は変化球を打ち返した。キャンプ中から直球と変化球両方に対応できる打撃をテーマにしており「少しずつ良くなってきた」と手応えを見せた。
 オープン戦4試合で打率・222と低迷していたが一気に・417まで急上昇。9日には一塁定位置をアルフォンゾと争わせる方針を打ち出したばかりの伊原監督代行だが「スンちゃんは凄い良かった。危機感もあるだろう。もともと4番を張ってた男。本来の姿に戻ってほしい」と復活を願った。
 ライバルのアルフォンゾは途中出場で2打数無安打。それでも李スンヨプは「相手は問題じゃない。自分がしっかりやればいいこと。レギュラーも安泰じゃないし、スタメンで出られるよう頑張ります」。母国の勝利を祝う一発は、元4番の復活への号砲でもあった。

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2009年3月11日のニュース