野茂に戦力外通告…現役引退危機

[ 2008年4月21日 06:00 ]

ロイヤルズから戦力外通告を受けた野茂

 ロイヤルズの野茂英雄投手(39)が20日(日本時間21日未明)、球団から戦力外を通告された。野茂は今季、3年ぶりにメジャー昇格を果たしたが、ここまで登板3試合すべてで失点。防御率18・69のベテラン右腕に対して、球団首脳は“クビ”を選択した。今後メジャー他球団への移籍先を探すことになるが、かつての輝きを失っている右腕獲得に動く球団があるかは微妙な状況。日本人メジャーパイオニアが現役引退という危機に追い込まれた。

 海を渡って14年目。日本人メジャーのパイオニアの野茂にまたも試練が訪れた。20日になって、ロイヤルズの球団関係者がベテラン右腕に戦力外を通告したことを明かした。野茂にとってはメジャーで5度目の戦力外通告となる。
 野茂は今季、3年ぶりにメジャー昇格を果たし、10日のヤンキース戦では1000日ぶりとなるメジャー登板も果たした。ひじへの負担を軽減するため“代名詞”であるトルネードを捨てたフォームで復活を目指したが、その後も登板した試合すべてに失点。18日のアスレチックス戦でも中継ぎとして1/3回を3安打3失点。全3試合、4回1/3で10安打を許して9失点。防御率は18・69と散々の内容だった。ヒルマン監督は20日のアスレチックス戦の先発要員として、19日に傘下3Aオマハからホチェーバーを昇格させた。20日の先発候補の1人だった野茂の05年、デビルレイズ時以来の先発が完全消滅。同時に中継ぎ1人が25人枠から外れることになっていた。同監督は「まだ分からない」と明言を避けていたが、この日になって戦力外通告の道を選択した。
 野茂にはマイナー降格のオプションがないため、メジャー枠から外すには球団が戦力外を通告しなければならなかった。今後についてはウエーバーにかけられ、他球団からのオファーを待つことになる。マイナー契約も含めて他球団からオファーがなかった場合は、ロ軍とマイナー契約を結び直し、再度メジャー昇格を目指すという選択肢も出てくる。だが、今年40歳を迎える野茂に他球団が獲得を示す可能性は極めて薄い。独立リーグ、メキシカンリーグ、さらには台湾球界や日本球界復帰も含めて現役復帰の道を探ることになるが、最悪の場合、現役引退となる可能性もある。いずれにしても野茂にとっては大きな決断を迫られることになる。

続きを表示

2008年4月21日のニュース