10号一番乗り!ブラ砲60発ペースだ

[ 2008年4月21日 06:00 ]

<西・楽>1回西武2死二塁、ブラゼルが中越えに先制2ランを放つ

 【西武4-3楽天】西武のクレイグ・ブラゼル内野手(27)が楽天戦の初回、田中から中越えに先制2ラン。今季両リーグ10号一番乗りを果たした。三振もリーグトップの主砲だが、24試合での10号到達はシーズン60発のハイペースだ。チームは延長の末に競り勝って首位をがっちりキープ。カントリーミュージックをこよなく愛するブラ砲がカブレラ(オリックス)が抜け、長打力不足が心配された打線を引っ張る。

 三振が多くたって構わない。1球の失投を仕留めるのが主砲の仕事だ。ブラゼルが2試合連続アーチで、両リーグ一番乗りの10号に到達した。

 初回2死二塁、田中の初球146キロの真ん中高め直球を振り抜くと「シンを外れたけど、風に助けられた」という打球は中堅右に飛び込んだ。

 この日、打てる球はおそらく1球しかなかった。渡辺監督が「その後は当たりそうな感じがしなかったね」と笑ったように、低めにスライダーとフォークを集められて4打席連続三振。対田中に至ってはオープン戦を含めてこの日の先制弾が初安打で初アーチ。対戦成績は9打数1安打7三振となったが「苦手意識は持たないようにしている。野球は常に失敗の繰り返しさ」と気にするそぶりはない。

 ポストカブレラとして期待されているが、大リーグ通算1本塁打と輝かしい実績があるわけではない。素顔も牧歌的な風景が広がる米南部アラバマ州出身でカントリー音楽をこよなく愛す27歳の青年だ。西武ではそのカブレラ以来(01年)の10号一番乗りにも「彼の成績と競い合うつもりはない。意識すると自分のスタイルが崩れる」と話す。年間60本ペースについても「数字についての質問はしないでくれ」が口癖だ。

 チームは延長10回に相手の暴投で決勝点。2位日本ハムとのゲーム差を1・5に広げた渡辺監督は「初回の一発が大きかったね」と目尻を下げた。本塁打とともに29三振もリーグトップタイだが、これもブラ砲の魅力だ。「アラバマの大親友に最初の子供が生まれたので、この一発は彼にささげたい」。開幕から約1カ月。首位を走る西武に“カブレラの抜けた穴”という言葉は聞こえてこない。

 ≪7人継投で接戦制する≫西武が降雨中止などによる中3日の空き日を生かし、7人継投で接戦を制した。「悪いなりに5回まで投げられたのがよかった」という先発キニーを5回2失点でスパッと代えると、6人の救援陣が山崎武の本塁打による1点に抑えた。最後はグラマンがリーグトップタイの6セーブ目。渡辺監督は「リリーフの間隔が空いていたので早め早めにいった」と満足そうだった。

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2008年4月21日のニュース