幕下10枚目・15枚目格付け出し廃止「幕下最下位」と「三段目最下位」のみ 高校生の大会も対象に

[ 2023年9月28日 19:09 ]

両国国技館
Photo By スポニチ

 日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で理事会を開き、付け出し資格に関する規定を改定すると発表した。幕下10枚目・15枚目格付け出しを廃止し、幕下最下位格付け出しと三段目最下位格付け出しの基準を緩和することになった。

 これまでは、全国学生選手権、国体成年の部、全日本実業団選手権、全日本選手権の各大会優勝者に幕下15枚目格付け出し資格が、全日本選手権と上記の3大会いずれかで優勝した選手には10枚目格付け出し資格が与えられていた。この規定は00年9月から新設され、適用第1号の垣添(現・雷親方)から今年夏場所の大の里(23=二所ノ関部屋)まで計25人が適用されていた。

 これが廃止となり、全国学生選手権、国体成年の部、全日本選手権のベスト8以上全員が幕下最下位格付け出し、ベスト16は三段目最下位格付け出し資格を得ることに。全日本実業団選手権は付け出し資格の対象外となった。

 また、全国高校選手権(インターハイ)と国体少年の部のベスト4以上には三段目最下位格付け出し資格が与えられることに。これまでは高校生が付け出し資格を得るには、全国高校選手権または国体少年の部で優勝して全日本選手権に出場し、そこでベスト8以上に入る必要があり難易度は高かった。それが緩和され、高校生が資格を得やすくなった。

 全勝すれば原則十両昇進となる「15枚目格」と「10枚目格」が廃止されたことにより、デビューから1場所で関取に昇進することが事実上不可能となった。過去に幕下10枚目・15枚目格付け出しでデビュー場所に7戦全勝したのは下田(のちの若圭翔)と落合(現幕内・伯桜鵬)の2人だけ(下田は当時の審判部の判断でなぜか昇進ならず)。伯桜鵬が持つ、所要1場所で関取昇進という史上1位の記録は今後誰も達成することができなくなった。

 これまでの幕下15枚目・10枚目格付け出し力士は以下の25人。

力士名(本名) 初土俵 最高位
垣添(垣添徹) 01年秋 小結
朝陽丸(三好正人) 02年春 幕下2
豪風(成田旭) 02年夏 関脇
普天王(内田水) 03年初 小結
高見藤(横山英希) 04年春 十両13
大岩戸(上林義之) 04年春 前頭16
武誠山(中野一成) 04年夏 幕下7
吐合(吐合明文) 05年春 幕下2
若圭翔(下田圭将) 06年夏 幕下1
清瀬海(市原孝行) 07年初 前頭13 ※10枚目格付け出し
大翔湖(森友樹) 07年春 十両10
妙義龍(宮本泰成) 09年夏 関脇(※現役)
千代大龍(明月院秀政) 11年技 小結
大喜鵬(山口雅弘) 12年春 前頭16
遠藤(遠藤聖大) 13年春 小結(※現役)※10枚目格付け出し
逸ノ城(イチンノロブ) 14年初 関脇
大翔丸(川端翔伍) 14年春 前頭5(※現役)
御嶽海(大道久司) 15年春 大関(※現役)※10枚目格付け出し
大奄美(坂元元規) 16年初 前頭11(※現役)
水戸龍(トゥルボルド) 17年夏 前頭15(※現役)
矢後(矢後太規) 17年夏 前頭10(※現役)
欧勝馬(デルゲルバヤル) 21年九 十両3(※現役)
輝鵬(川副圭太) 22年秋 十両13(※現役)
伯桜鵬(落合哲也) 23年初 前頭9(※現役)
大の里(中村泰輝) 23年夏 十両14(※現役)※10枚目格付け出し

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2023年9月28日のニュース