苦労人・日翔志 新十両に「感慨深い」 頸椎損傷で2カ月寝たきり 父の死も乗り越え

[ 2023年9月28日 05:00 ]

新十両昇進会見を行った日翔志(左)と師匠の追手風親方(撮影・前川 晋作)
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 日本相撲協会は27日、東京・両国国技館で九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)の番付編成会議を開き、日翔志(26=追手風部屋)の新十両昇進を決めた。英乃海(34=木瀬部屋)と勇磨(25=阿武松部屋)がそれぞれ2場所ぶりに十両に復帰することも決まった。また、引退力士も発表された。

 初土俵から2年半で関取の座をつかんだ日翔志は、埼玉県草加市の追手風部屋で会見し「思った以上に時間かかった」と本音を吐露した。「ここまで来られると思ってなかったので、誰よりも感慨深いと思う」と実感を込めた。

 日大卒業後、日大事業部に就職。しかしコロナ禍で社会人の大会に出られず、1年で退社して角界へ飛び込んだ。その半年後、稽古中に頸椎(けいつい)損傷の大ケガ。下半身が動かなくなり、約2カ月もの寝たきり生活が続いた。引退も考えたが、師匠の追手風親方(元幕内・大翔山)から「絶対十両に上がれる」と励まされて現役続行を決意。昨年3月には父・文男さんが57歳で亡くなるという不幸も重なる中、不屈の闘志で復活した。

 昨年夏場所、序ノ口から再起。自己最高位の幕下3枚目で臨んだ秋場所で幕下優勝を果たし、一発で昇進を決めた。対戦したい力士に挙げたのは、埼玉栄高相撲部同期の関脇・琴ノ若。苦難を乗り越えた26歳は「早く追いつけるように頑張りたい」と意気込んだ。

 ◇日翔志 忠勝(ひとし・ただかつ)本名=沢田日登志。1997年(平9)8月14日生まれ、東京都立川市出身の26歳。立川練成館で5歳から相撲を始め、埼玉栄高3年時に全国高校総体団体優勝。日大4年時に全国学生体重別大会無差別級優勝。卒業後は日大事業部を経て追手風部屋に入門。21年夏場所で初土俵。同年10月に首を負傷。22年夏場所で序ノ口から復帰し翌名古屋場所で序二段優勝。同年九州場所で三段目優勝。座右の銘は「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」。1メートル81、151キロ。

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