紀平、連覇へ4回転投入も 打倒ロシア勢へ切り札「自分の感覚で決めたい」

[ 2019年11月22日 05:30 ]

フィギュアNHK杯 公式練習

笑顔で練習する紀平(撮影・小海途 良幹)
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 フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第6戦NHK杯で大会連覇を狙う紀平梨花(17=関大KFSC)は、21日の公式練習で4回転サルコーを1本、着氷させた。23日のフリーで成功すれば、02年ジュニアGPファイナルで4回転サルコーを成功させた安藤美姫さん以来となる日本人の4回転ジャンプ成功者になる。

 紀平が温めてきた4回転サルコーを初投入する可能性が出てきた。グレーを基調としたフリーの新衣装を着て、公式練習で大技に挑んだ。曲をかけた通しの滑りでは転倒。しかし、その後、1度降り立った。会場に拍手が起きた。試合会場で決めたのは初だ。
 
「跳べたけど、あまり…」

 少なくとも6回試みて成功は1回とあって、声のトーンは低かった。4回転ジャンプを武器にしてGPファイナル出場を決めたロシアの新星、トルソワ、シェルバコワに立ち向かうために不可欠なジャンプ。23日のフリーでチャレンジすれば「4回転サルコー&トリプルアクセル2本」という高得点の構成になる。跳ぶかどうかは、フリー当日に判断する。

 「あす(22日)とあさって(23日)の練習会場の温度や氷の感覚、自分の感覚を確かめて決めたい」

 新しい刀の切れ味を試した一方、伝家の宝刀は絶好調だった。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は8連続を含む9回着氷。今大会は、フランス杯優勝のロシアの16歳、コストルナヤとの「トリプルアクセル対決」に注目が集まる。“先輩”として「トリプルアクセルは(SPとフリー合わせて)確実に3本決めたい」と、ノーミスを宣言した。

 表彰台に立てば、昨季優勝したGPファイナルへの出場が決まるが、目指すのは頂点のみ。NHK杯連覇と、SP最終滑走の重圧を振り切って好スタートを切り、余裕を持って大技に挑みたい。

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