ベルダスコが試合後に見せた心遣い ガッツポーズよりも先に西岡の元へ

[ 2018年5月28日 13:00 ]

テニス 全仏オープン第1日   フェルナンド・ベルダスコ3―2西岡良仁 ( 2018年5月27日    ローランギャロス )

全仏オープン第1日、4時間の熱戦の末、西岡を破ったベルダスコ(AP)
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 試合を終えたテニス選手はネットを挟んで握手を交わすのが通例である。しかしフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)はわざわざネットを乗り越えて西岡良仁(ミキハウス)に歩み寄り、「最後まで頑張ったな」とねぎらいの言葉をかけた。けいれんした西岡がネット際まで歩くことすら困難なことを分かっていたからだった。

 「勝利をあきらめずに5セット戦い抜いた選手はどちらも勝利に値すると思っている。片方を敗者にするのは酷だ」。最後はサービスエースで4時間マッチに終止符を打ったが、ガッツポーズよりも先に相手の元へ歩き出した。

 ベルダスコ自身も第4セット途中には激しく転倒して右足首を痛めていた。テーピングを受けてのプレーに加え、終盤は激しく消耗していた。だが34歳のベテランは「自分にも経験はあるが、けいれんで100%を出し切れずに負けるのは辛いことだ」と敗者の気持ちを思いやった。

 「けいれんしている相手と戦うのは難しい。だがプレーが始まれば、彼はまだ十分に走ることができた。ポイント間にどんなに苦しい様子であろうと、ボールを返すだけじゃダメだ、もっと厳しくプレーするんだと思った」。優しさばかりでなく勝負の厳しさも見せて最終セット0―3から逆転勝利。スタッフに肩を借りて退場する西岡の頭をくしゃくしゃとなでて、最後にあらためて健闘を称え合った。

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2018年5月28日のニュース