嗚呼久々に味わう錦織の天然問答「勝ったの?」

[ 2017年6月6日 11:35 ]

ベルダスコを下して2年ぶりの準々決勝進出を決め、ガッツポーズの錦織 (AP)
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 8強入りを果たした達成感だろうか。これまでは試合に勝っても重苦しい表情だった今大会の錦織だが、ベルダスコ戦後の会見では久々にスッキリした笑顔が見られた。

 おかげで錦織らしいとぼけたやり取りも久々に飛び出した。

 「去年の全米オープンの対戦で思い出すのはどんなこと?」。海外の記者からA・マリー(英国)について聞かれた錦織は、苦笑いしながらこう応えた。

「実は記憶力がすんごい悪いんで…。」と言いよどみ、「勝ったか負けたかも分からないんだけど。勝ったの?」と回答。

 会見場は大きな笑い声に包まれた。

 確かに昨年はデビス杯、リオ五輪、全米オープン、ATPツアー・ファイナルと4度も対戦しているといえ、全米での勝利は錦織が16年のベストマッチの1つにも挙げていた試合だ。それがまさか忘却の彼方とは…。

 ちょうど1年前に同じことがあった。全仏1回戦でボレリ(イタリア)に勝利した後、「っていうか、ボレリに俺は勝敗どうなってるの?」。過去の試合を説明されても「はあ、全く覚えてない」、3戦全勝と言われても「負けた記憶があるんですけど」と記憶の糸が完全に途切れていた。

 まあボレリはまだいいとしても(ボレリ及びファンの方ごめんなさい)、BIG4の一角で、錦織もまだ2回しか勝ったことのないA・マリーである。

 これまた錦織の“いい味”とはいえ、全米で大本命に推されながら敗れ去ったA・マリーにしてみれば「そりゃないぜ、ケイ」と言いたくなるかもしれない。 (テニス担当・雨宮 圭吾)

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2017年6月6日のニュース