“国策”実ったメダルラッシュ それでも王国復活は時期尚早

[ 2017年6月6日 08:35 ]

女子シングルスで銅メダルを獲得した平野美宇 (AP)
Photo By AP

 【卓球世界選手権総括】“久々メダル”に沸いたのは、継続的な強化が実っていた成果だ。02年に小学生のナショナルチームを創設。男子シングルスで史上最年少でベスト8入りした13歳の張本に代表されるように早い世代からの強化が選手層を厚くした。

 さらに、日本協会の前原正浩副会長は、この数年、国からの助成金が「億単位で増えている」と語る。栄養士、トレーナー、情報・分析を含めた裏方の充実が、リオ五輪の3つのメダルや今大会の躍進につながった。4種目でメダルを獲るのは75年以来42年ぶりだ。

 混合ダブルスでの吉村、石川組の金メダルをはじめ、男子ダブルスで大島、森薗組が銀。女子シングルスでも17歳の平野が銅に輝いた。ただし、卓球王国復活と喜ぶのは早計だ。混合を除けば、ほかの種目は中国勢に敗れている。シングルスは男女で6戦全敗。差は依然として大きい。

 中国以外に取りこぼしが少なかったことが今回の最大の成果。20年東京五輪へ、金は難しくともメダルは大きな期待ができることを証明した。

続きを表示

この記事のフォト

2017年6月6日のニュース