錦織 逆転で3年連続初戦突破 ランク外21歳に苦戦も貫禄

[ 2017年5月31日 05:30 ]

テニス 全仏オープン第3日 ( 2017年5月30日    パリ・ローランギャロス )

全仏オープン1回戦で逆転勝ちした(AP)
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 男子シングルスで世界ランキング9位の錦織圭(27=日清食品)が、苦しみながらも3年連続で初戦を突破した。公傷明けでランク外のタナシ・コッキナキス(21=オーストラリア)との1回戦は4―6、6―1、6―4、6―4で逆転勝ちを収めた。女子シングルス1回戦では大坂なおみ(19=日清食品)、日比野菜緒(22=ルルルン)、加藤未唯(22=佐川印刷)がいずれも初戦で姿を消した。

 試合への欲求と番狂わせに燃えるどう猛な若手を鎮めるのに3時間2分を要した。苦しめられ続けたコッキナキスのフォアハンドがサイドラインを割ってゲームセット。錦織は疲れた表情で鉢巻きを脱ぎ、1勝の重みをかみしめた。

 「なかなか自分のリズムがつくれなかった。第3セットで0―3からカムバックできたのが大きかった。そこで波に乗れた」。1メートル96の長身をバネのように弾ませて叩きつけるサーブ。恐れを知らずに振り回すフォアハンド。相手は右肩の手術を受け、約1年半ぶりにツアーに復帰したばかりとは思えないプレーだった。一方で錦織は4大大会初戦の緊張感も手伝い、やや受けて立って見えた。第1セットは第3ゲームでブレークを許し、その後は3回訪れたブレークバックのチャンスをことごとく逃した。

 第2セットに入り、この日7度目のチャンスでようやく初ブレーク。1ゲームしか与えずにこのセットを奪っても一進一退の展開は変わらなかった。第3セットは0―3とされてから逆転。徐々に疲れの見え始めた相手の12本ものダブルフォールトにも乗じて、最後は錦織が押し切った。

 ここ数シーズンはクレーコートでの戦いに手応えを感じ、今季は2月に南米遠征を行うなど例年以上にクレーに注力してきた。前哨戦で思ったような結果は出なかったが、今大会に懸ける思いは強いものがある。

 3年前に初戦敗退を喫したのと同じ1番コート。勝ち切った意味は大きく、錦織のブロックでは第27シードのクエリー(米国)、さらに今大会注目の第9シード、20歳のA・ズベレフ(ドイツ)も1回戦で姿を消した。苦戦の先には上位進出の道が開いている。

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