高安 大関昇進口上は“稀勢流”で「シンプルに覚悟伝えたい」

[ 2017年5月31日 05:30 ]

大関昇進を翌日に控え、取材に応じる高安
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 日本相撲協会は31日、名古屋場所(7月9日初日、愛知県体育館)番付編成会議と臨時理事会で関脇・高安(27=田子ノ浦部屋)の大関昇進を正式に決める。高安は30日、東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で取材に応じ、昇進伝達式での口上がシンプルなものになることを明かした。同部屋の横綱・稀勢の里(30)は大関、横綱と2度の伝達式とも簡潔な口上だっただけに、弟弟子もそれに続く。

 入門から12年で手にする大関の地位。翌日に協会からの使者を迎える高安は胸を躍らせていた。兄弟子の稀勢の里が大関に昇進した11年九州場所後、横綱昇進となった今年初場所後。ともに目の当たりにしてきただけに「それを夢見てやってきたし、夢のような時間になる。緊張するよりワクワクする。楽しみ」と笑顔で話した。大関に昇進する気持ちを問われると「(実感は)少しずつ湧いてきている。身の引き締まる思い」と語った。

 伝達式での口上はこの日の午前中までに大筋で固まった。「一生残る言葉なので自分で考えた。どちらかというとシンプル。これからの覚悟とか気持ちを込めて伝えたいと思う」と説明した。

 稀勢の里の伝達式での口上は「大関の名を汚さぬよう精進します」「横綱の名に恥じぬよう精進致します」と至ってシンプル。稀勢の里に胸を出してもらったおかげで強くなり「感謝しかない」という高安だけに、晴れ舞台での口上も“稀勢の里流”に近いものになるもようだ。

 かつては口上の“定番”だった四字熟語を入れるかどうかについては明言しなかった。夏場所中は「堂々と」「自信を持って」などと繰り返していただけに、それらの言葉が盛り込まれる可能性もある。

 平成生まれでは、モンゴル出身の照ノ富士(25=伊勢ケ浜部屋)に続く大関昇進。中学卒業後に角界入りした「叩き上げ」では稀勢の里以来となる。上位陣はモンゴル勢に加えて、大学や高校卒業後に入門した力士が多い中、叩き上げとしての意地がある。「15歳で入って、たくさん経験したことがある。プライドを持ってやる」。初土俵から所要73場所での大関昇進は史上9位のスロー記録だが、まだ27歳。強い気持ちを持った大関が誕生する。

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2017年5月31日のニュース