枝尾首位「なんか舞い降りたぁ」実家は居酒屋「水戸黄門」

[ 2017年5月28日 05:30 ]

第5回マイナビシニア&レディースカップ第1日 ( 2017年5月27日    千葉県柏市 藤ケ谷カントリークラブ=男子6884ヤード、女子レギュラー6349ヤード、女子レジェンズ5829ヤード、いずれもパー72 )

自身のスコアのボードの前でポーズをとる枝尾あかね
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 居酒屋の看板娘が会心のスタートダッシュ――。男女プロが同組で回る混合戦で行われ、枝尾あかね(27=フリー)が8番からの3連続を含む6バーディー、1ボギーの67で回り単独首位に立った。女子レギュラーの部で優勝すればNOBUTA GROUP マスターズGCレディース(10月19〜22日、兵庫・マスターズGC)の出場資格が与えられる。1打差の2位に米山剛(52=ヨネックス)と高松厚(57=ユニテックス)のシニア2人が並んでいる。

 時折、強い風が吹く中、67の自己ベストでホールアウトした枝尾に、プロ仲間から「凄いね」と驚きの声が飛ぶ。ヒロインは「なんか、舞い降りたぁ」と笑顔で返し喜んだ。

 10年のプロ入り後、これまでレギュラーツアーに5試合出場したが、全て予選落ち。下部ツアーのステップアップツアーにも今季3試合出場したものの、いずれも決勝ラウンド進出はならなかった。それがこの日は1番で3メートルのバーディーパットを決め勢いをつけると、5番でグリーン手前10ヤードからチップインバーディー。9番では20メートルの「どフック」を沈め、12番でも2メートルと要所要所でパット、アプローチがさえ初体験のトーナメントリーダーに立った。

 「今までは試合になると頑張ろうと思いすぎて気持ちが空回りして、自滅することが多かった。だから自分にプレッシャーをかけずに簡単に回ろうと思っていました。練習は試合のように。試合は練習のように、という気持ちで回りました。それが良かったです」

 ゴルフを始めたのは9歳の時。熊本市内で居酒屋「水戸黄門」を営む父・良一さん(62)の勧めで、坂田信弘プロが主宰するジュニア育成の坂田塾に入った。だがアマ時代の成績はパッとせず、目立つのは九州女子アマの2位くらい。熊本・東海大二高(現東海大熊本星翔高)卒業後、プロを目指して兵庫のゴルフ場の練習生になり2度プロテストを受験したもののいずれも失敗。「これで駄目だったら、諦めようと」決意した3度目の挑戦でようやくプロライセンスを手にした。

 1Wの飛距離は220ヤードと飛ぶ方ではないが「曲がらないのは自信がある」と胸を張る。試合に出られない時には、父の店も手伝うという孝行娘。今大会の女子レギュラーの部で優勝すれば、高額賞金大会のNOBUTA GROUP マスターズGCレディースの出場権を得られるが「とりあえず、頑張らないように頑張ります」。最終日は自分との闘いになりそうだ。

 ◆枝尾 あかね(えだお・あかね)1989年(平元)10月24日、熊本県熊本市生まれの27歳。東海大二高時代に3年連続で日本女子アマ出場。両親と兄の4人家族。身長1メートル48は、日本女子プロゴルフ協会の中で馬場ゆかり、林綾香と並んで最も小柄。48キロ。

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