【玉ノ井親方 視点】日に日に内容が良くなった白鵬

[ 2017年5月28日 09:15 ]

大相撲夏場所14日目 ( 2017年5月27日    両国国技館 )

笑顔の白鵬
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 優勝が懸かった照ノ富士戦。白鵬は相手に差されたり、上手を取られたりしないようにうまく攻めた。立ち合いで踏み込んで右を差すと、左をガードしながら相手の出方をうかがう。照ノ富士にすれば、左小手投げにいきたいんだけれど、差されてるから、なかなかいけない状況。大関が攻めあぐんで引いたところで、サッと左を差してもろ差しになり寄り切った。

 横綱はこの1年、ケガもあって納得できる稽古ができていなかったと思う。だから、今場所はもう一度、自分を見つめ直して体をつくってきたはず。相撲内容は日に日に良くなり、鶴竜、稀勢の里は休場したが、日馬富士が途中まで全勝で並んでいたことで、精神的にもいい状態に持っていけたのではないか。

 今場所を振り返ると一番のポイントは高安戦。右を差すために変化気味に動きながら自分の形に持っていった。よく考えた相撲内容で相手よりも一枚も二枚も上手の取り口だった。来場所以降も優勝争いは白鵬が中心になるだろう。だが、下から若い力士も育ってきている。優勝38回の横綱といえども、そう簡単にはいかないとみている。 (元大関・栃東)

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