白鵬休場 右足親指捻挫に加え右太腿痛も併発…横綱で3度目

[ 2017年3月17日 05:30 ]

大相撲春場所5日目 ( 2017年3月16日    エディオンアリーナ大阪 )

4日目、勢(手前)に寄り倒しで敗れ、2敗目を喫した白鵬
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 横綱・白鵬が16日、右母趾(ぼし)捻挫と右大腿筋群損傷により5日目から休場することが決まった。15日の前頭筆頭・勢との取組で痛めた。この日、大阪市内の病院で3週間の加療が必要と診断され、横綱昇進後では昨年秋場所以来、自身3度目の休場となった。新横綱・稀勢の里は勢を退けて無傷の5連勝。1敗の鶴竜は蒼国来を、2敗の日馬富士は松鳳山を下し、ともに勝利を収めた。

 「最強横綱」の足元が4横綱時代最初の場所でぐらついた。場所前の稽古で痛めた右足裏が取組中に悪化し敗れた初日に続いて、4日目は一方的に押し込まれて2敗目。覇気の感じられない相撲を見せていた白鵬が早くも戦線離脱した。

 足裏の痛みに加えて右母趾(足の親指)捻挫は昨年9月の手術部位の再損傷。おまけに右太腿痛まで併発した。師匠の宮城野親方(元幕内・竹葉山)は「気持ちを切り替えて、一から出直すしかない」とこの日、姿を見せなかった弟子の胸中を代弁した。

 優勝は全勝した昨年5月の夏場所が最後。賜杯が遠のくのは自身最長を更新して5場所目になった。金星配給数についても、横綱に昇進した07年以降、15年までは多くても年6場所で2個だったが、16年は全休もあり5場所で3個、今年は19日間で既に3個と圧倒的な強さは影を潜めた。急速な衰えを数字が示し、同親方も「実際に足腰は少し衰えていると思う」と認めるしかなかった。

 肉体だけでなく気力の衰えも懸念される。先場所中、元・大鵬の話題に及ぶと33度目の優勝を飾った当時を思い起こし「大鵬さんの記録を超えて緩くなった部分がある。無理やり、奮い立たせているというか」と明かした。全盛期のような闘争心は見られず、今場所でも優勝から遠ざかることの、もどかしさを聞かれても「全然ない。目指せ東京五輪(の土俵入り)」と目の前の一番より、3年後を見据えた。

 4日目の一番で審判長を務めた藤島親方(元大関・武双山)が「仕切っている時から元気がないというか、今までのような闘志がなかった」と話したように、周囲の心配する声も年々、増えている。「無理するとどこか痛めるようになってきた」。11日に32歳になった第一人者。土俵を引っ張ってきた男にもう一度、我が世の春は訪れるのか。今、正念場に立たされている。

 ▼八角理事長(元横綱・北勝海)白鵬は足が悪かったから気持ちも乗らなかったのか。休場はお客さんに申し訳ないが、ケガを治せば今までの白鵬に戻るだろう。

 ≪4横綱皆勤珍しい≫15日制となった1949年(昭24)夏場所以降、4横綱は今回で12回目。今場所を含めた61場所で4横綱が全て皆勤したのは9度だけ。最後の4横綱皆勤は90年九州場所(北勝海=9勝6敗、旭富士=12勝3敗、千代の富士=13勝2敗V、大乃国=10勝5敗)。その後は9場所連続でいずれかの横綱が休場している。

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