やり投げ新井 愛の大会新!二重の喜び 初五輪代表&結婚発表

[ 2016年6月26日 08:42 ]

雨の中2回目の試技を行う新井

陸上 日本選手権第2日

(6月25日 愛知・パロマ瑞穂スタジアム)
 男子やり投げを3連覇した新井涼平(25=スズキ浜松AC)が、おもむろに切り出した。「インタビューで言い忘れたことがあります。年始に結婚をしました。サポート(してくれる人)ができたのも大きいです」。元日に皆野高(埼玉)の同級生・美奈さんと結婚。五輪初代表を決め二重の喜びを報告した。

 「ちゃんと投げたら言おうと思っていました。本当は(4月の)織田記念(国際)で言いたかったんですけど」

 日本陸連の五輪派遣設定記録(84メートル32)を昨年中に既にクリア。その実力を雨の中でもいかんなく発揮した。自らが昨年出した84メートル13の大会記録を41センチ更新する84メートル54を5投目にマーク。低めの軌道でグングン伸びると、それに伴って会場の歓声が大きくなった。記録をコールされると、フィールドに背を向けて右手でガッツポーズ。80メートル台を出したのは、新井一人だけだった。

 昨夏の世界選手権(北京)は涙をのんだ。リオ五輪が即時内定となる8位以内に一歩届かない9位。8位との差はわずか6センチだった。その約1カ月後にやり投げの強豪国フィンランドへ2週間の武者修行。「基礎体力の違いを痛感した」と肉体強化に励んだ。懸念していた腰痛が癒えた今春はスクワットなどの筋トレ、坂道ダッシュを重点的に行い馬力を上げた。その結果、「疲れた状態」ながら100メートル走で11秒3の自己ベストを記録。底力がついた手応えを感じ取っていた。

 「メダルを狙いたい」。初の五輪で頭に描くのは日本人初の90メートル台。生涯の伴侶を得た今なら、夢ではない。

 ◆新井 涼平(あらい・りょうへい)14年国体男子やり投げで日本歴代2位の86メートル83。15年世界選手権9位。埼玉・皆野高、国士舘大出、スズキ浜松AC。1メートル83、95キロ。25歳。埼玉県出身。

 ◇男子やり投げ
(1)新井 涼平(スズキ浜松AC) 84メートル54
(2)村上 幸史(スズキ浜松AC) 78メートル10
(3)長谷川鉱平(福井陸協) 76メートル50

[世]ゼレズニー(チェコ) 98メートル48
[日]溝口 和洋 87メートル60
派遣設定記録 84メートル32参加標準記録 83メートル00

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