【高野進の目】最後まで手足連動のケンブリッジ 桐生の敗因は…

[ 2016年6月26日 10:20 ]

優勝したケンブリッジは1番ポーズ。右はうなだれる桐生
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陸上 日本選手権第2日

(6月25日 愛知・パロマ瑞穂スタジアム)
 ケンブリッジはスタート直後こそやや遅れたものの、中間(40~60メートル)の加速が良かった。通常であれば山県に逃げ切られるパターン。これまでは後半に硬くなって追いつけないレースがあったが、この日は最後まで手足の連動がしっかりできてストライドも伸びていた。かなり体も仕上がっており、スプリンターらしい筋肉がついてきた。

 桐生は頑張りすぎてやや脚が浮いた印象だったが、それ以上にケンブリッジの良さが目立った。

 雨が降り、あまり風も吹いていない状況で2人が10秒1台を出した。桐生も含め、条件さえ整えば誰かが9秒台を出すことはほぼ間違いない。五輪本番に向けても、この3人が非常にいいライバル関係となる。

 これまでは国内に意識があったと思うが、これからは世界が基準。3人とも五輪選手になることが最終目標ではないはずだ。準決勝で9秒台を出す気持ちで心身ともにつくり上げてほしい。(男子400メートル日本記録保持者、92年バルセロナ五輪8位、東海大体育学部教授)

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2016年6月26日のニュース