リオ五輪の聖火リレー採火 ブラジル政治混乱で抗議デモ懸念も

[ 2016年4月21日 21:53 ]

 南米初開催となる8月のリオデジャネイロ五輪の聖火が21日、ギリシャのオリンピア遺跡で採火された。深刻な経済低迷や不安定な政局の五輪への影響が懸念されるブラジルを巡る聖火リレーは、5月3日に始まる。過去には2008年北京五輪の聖火リレーが世界各地で妨害行動に遭った例もあり、治安当局は抗議デモの対策にも神経を使いそうだ。

 採火式の出席を取りやめたブラジルのルセフ大統領は、弾劾手続きが進み、五輪前に停職の可能性が高まった。リオ五輪組織委員会のヌズマン会長は式典で「国の誇りとプライドを懸けて大会の成功を約束する」と宣言したが、政治の混乱が広がる中で聖火を迎える。

 リオ五輪は国際オリンピック委員会(IOC)が初めて「難民五輪選手団」を編成し、ギリシャ国内の聖火リレーではシリアの難民男性が参加する予定。

 14年ソチ冬季五輪でルートに宇宙や北極点が入ったような仕掛けはないが、8月5日の開会式でマラカナン競技場の聖火台に点火されるまで約3カ月、陸路2万キロ、空路1万6千キロを約1万2千人の走者がつなぐ。ブラジル国内300以上の都市を巡り、五輪の盛り上げを図る。(共同)

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2016年4月21日のニュース