帝京大、滑り込み2年ぶりシード 抜てき組粘って10位

[ 2016年1月4日 05:30 ]

帝京大10区・島口は笑顔でゴール。総合10位でシード権を獲得した 

第92回東京箱根間往復大学駅伝復路

(1月3日 箱根・芦ノ湖~東京・大手町5区間109・6キロ)
 10位に滑り込み2年ぶりにシード権を奪回した帝京大の高橋裕太主将(4年)は「シード権は獲れる前提で走った。不本意です」と笑顔はなかった。昨年は11位でシード権を逃した。中野高行監督は「絶対にシードを獲らないと、だめだ」と、厳しい言葉を初めて使って奮起を促した。それに応えた選手を「シードを獲れちゃった、という今までとは違って学生が奪いにいった」と称えた。

 その象徴が復路の2人だ。1、2区の奮闘で5位までつけたが、その後、順位を落として復路は9位スタート。直前にメンバー入りした苦労人の6区・原由樹人(4年)が粘った。登録メンバー16人を争う約20人のAグループとは無縁だったが、11月中旬にハーフ、1万メートルで自己ベストを更新。Bから抜てきされた。

 原は「コツコツやるしかないと。11位に順位を下げて申し訳ない」と話したが、同じ苦労人、8区の山崎渉(4年)が10位に順位を戻す。「シード奪回の立役者になりたい」と奮起した山崎もBからの抜てき組。高橋主将が言う「人任せにしない危機感を意識した1年間」を体現した2人が、後続の選手につないだ。

 「明大(14位)にアクシデントがなかったら、シード落ちしてもおかしくない」。高橋主将は最後まで「気持ちのいいシードじゃない」と話した。それでも「生みの苦しみを初めて経験した。もともと簡単じゃないと、分かったと思う」と中野監督。この経験が新たな伝統として、後輩に受け継がれるはずだ。

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2016年1月4日のニュース