青学大強さのカギは「信頼」 監督ら気配りのたまもの…金哲彦の目

[ 2016年1月4日 09:25 ]

箱根の山を駆け下る青学大の6区・小野田

第92回東京箱根間往復大学駅伝復路

(1月3日 箱根・芦ノ湖~東京・大手町5区間109・6キロ)
 箱根駅伝のように距離の長いレースはちょっとしたミスが命取りとなるが、今回の青学大はまったくミスがなかった。ポイントになると思っていた山下りの6区も1年生の小野田が快走して難なくクリアするなど、文句のつけようがない優勝だった。

 これまでもいろいろな学校を見てきたが、これほど全員が伸び伸びと楽しそうに走ったチームは見たことがない。強豪校になればなるほど上級生と下級生の関係は難しくなる。上級生は箱根に出たくて仕方がないし、下級生は自分の方がタイムが上なのに何で出られないのかと不満を募らせる。だが、青学大からはそんな雰囲気がまったく感じられない。青学大は他校に比べて選手以外のスタッフが多い。原監督とスタッフが普段から上級生と下級生の関係に気を配り、上下関係のない「信頼」という言葉で結ばれたチームをつくり上げたからこそ、ノーミスで走ることができたのだと思う。

 当然来年も強いだろうが、4年生の主力4人が抜ける影響は必ずどこかに出るはずだ。そこに他校がどうつけこむか。少なくとも今年よりは接戦のレース展開となることを期待したい。(駅伝マラソン解説者)

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2016年1月4日のニュース