「カメの宮原」自己ベストで銀「人の3、4倍は練習する」

[ 2015年12月14日 05:30 ]

GPファイナル初出場で2位に入った宮原

フィギュアスケートGPファイナル最終日

(12月12日 スペイン・バルセロナ)
 才能にそれほど恵まれていたわけではない。宮原は「ウサギ」なのか、「カメ」なのか。小学2年時から指導する浜田コーチは即答した。「めっちゃカメですよ」。ジャンプ習得などに時間がかかっても立ち止まらない。コツコツと積み上げ、ファイナル2位に入った。「凄く緊張することもなく、いつも通りに滑ることができた」。少し誇らしげに17歳が笑った。

 「初恋」をテーマに据えたフリー。4分の演技に込めるのは、スケートに対する恋心だ。「試合を重ねるごとに、スケートが好きという気持ちを重ね合わせて滑れるようになった」。フリーも合計も自己ベスト。「(フリーは)135点が目標だったので、点数が出た時はビックリした」と宮原。得点に腰を浮かせて驚くコーチの横で、17歳の喜びは控えめだった。

 昨季は全日本選手権を制し、世界選手権で銀メダル獲得も、謙虚な人柄は変わらない。練習後、弁当を食べる際には年下の選手の勢いに押されてベンチの端で静かに箸を進める。「偉そうだったり、態度が悪かったことは1秒もない。天然記念物みたいなもの。人の3、4倍は練習する。とにかく努力するし、尊敬します」と浜田コーチは宮原の人間性を絶賛した。

 演技から一夜明けた13日、宮原には闘志が宿っていた。11月のNHK杯で勝利の味を知った17歳は、2位では満足できない。「今度は優勝できるように、これからいろいろと練習していきます」。25日には連覇が懸かる全日本が開幕。「急に1位になれなくても、ちょっとずつ向上していけるようにしたい」。ゆっくりと、しかし、確実に世界の頂へ歩んでいく。

 ▼世界選手権の女子選考 女子の代表枠は3。年末の全日本の優勝者は決定。2人目は(1)全日本2位と3位(2)ファイナル出場選手の日本人上位2人(全日本優勝選手以外)から総合的に選考。3人目は(1)か(2)を満たす選手と全日本4~6  位、 世界ランクの日本人上位3人、国際大会の今季スコアの日本人上位3人から選ぶ。昨季休養の浅田は世界ランクでは日本人4番手、今季スコアでは日本人2番手につけている。

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2015年12月14日のニュース