羽生 史上初V3へ NHK杯と同じ構成、世界新再現だ

[ 2015年12月10日 05:30 ]

本番会場に姿を見せた羽生は入場口のボードに記念のサイン

フィギュアスケートGPファイナル10日開幕

(スペイン・バルセロナ)
 フィギュアスケートのGPファイナル(10日開幕)で男子初の3連覇を目指す14年ソチ五輪金メダリスト・羽生結弦(ゆづる、21=ANA)が9日、スペイン・バルセロナの本番リンクで公式練習に参加した。ショートプログラム(SP)、フリー、合計と全て世界最高得点をマークした11月のNHK杯と同じ構成で臨む今大会。7日に21歳になったプリンスが、世界新の再現を狙う。浅田真央(25=中京大)も公式練習で汗を流した。

 偉業を前にしても、プリンスは自然体だ。昨年はプルシェンコ(ロシア)チャン(カナダ)に続く男子3人目のファイナル連覇。その時と同じ、スペイン・バルセロナに8日に到着した羽生は、「別に戻ってきたという感覚はない。また新たに試合がある」とした上で「3連覇に向けてっていう感覚もない」と続けた。憧れのプルシェンコをはじめ、男子では過去に誰も達成していない3連覇に、静かな心で挑む。

 11月のNHK杯ではフィギュア史に偉大な一歩を刻んだ。SP106・33点、フリー216・07点と世界最高得点を並べ、合計は史上初めて300点を超える322・40点で優勝。2位に終わった10月のスケートカナダからNHK杯まで、「血のにじむような練習をしてきた」と話していた羽生は、今大会に向けても「前回同様、一生懸命練習してきた。それをこの舞台で出せたらいい」と言い切った。

 NHK杯ではジャンプ構成を変え、SPで自身初めてサルコーとトーループの2本の4回転ジャンプを成功。フリーでも基礎点が1・1倍になる演技後半に跳ぶ予定だったトーループの4―2回転のコンビネーションを4―3回転に難度を上げ、完璧に演じきった。ファイナルもNHK杯と同じジャンプ構成で臨む。9日の公式練習では、日本人が大半を占めた約200人の観衆の拍手を浴びながら汗を流した。

 日本出発の前日、7日に21歳になった。「特に何かが変わるというわけではないので」。昨年末の腹部手術、今年3月の世界選手権では悔しい銀メダル、そしてNHK杯でのスーパー得点…。明暗が交錯した20歳が終わり、また1つ年を重ねたプリンスが、王道を突き進む。

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