岩田 メジャー最少タイ63!首位に7差急接近

[ 2015年8月16日 05:30 ]

第2ラウンド、8番でバーディーを奪い、ギャラリーの声援に応える岩田寛

USPGAツアー全米プロ選手権第2日

(8月14日 米ウィスコンシン州コーラー・ウィスリングストレーツ・コース=7481ヤード、パー72)
 初日77を叩き123位と出遅れた岩田寛(34=フリー)が1イーグル、8バーディー、1ボギーでメジャー最少スコアに並ぶ63をマーク。通算4アンダーで15位に急浮上した。松山英樹(23=LEXUS)は5バーディー、3ボギーの70で同じく通算4アンダーの15位。小田孔明(37=プレナス)は67で通算2オーバー、70位で予選をぎりぎりで通過した。マット・ジョーンズ(35=オーストラリア)が通算11アンダーで首位。第2ラウンドは悪天候でサスペンデッドとなったが、15日に残りが行われ、順位が確定した。

 予選通過も危うかった男が歴史的快挙を成し遂げた。岩田は出だしの1番で3メートルのパットを決めてバーディー発進。4番ではティーショットを左崖下のバンカーに打ち込んだが、残り197ヤードの2打目を5Iで右奥のカラーまで運び危機を脱出すると6メートルをパターでねじ込んだ。奇跡的なバーディーで波に乗った。

 8番パー4ではグリーン左の小山の上にあるバンカーから3打目をカップイン。11番パー5では残り225ヤードから3Iで2オンしてイーグル。「13番を終えてハーフ27を狙おうと考えた」。目標には届かなかったがインをハーフ自己最少に並ぶ29で回りメジャー最少スコア63を叩き出した。史上25人目の偉業にも「記録は知らなかった。正直あまり興味ない。4日間回るのがゴルフだから」と素っ気なかった。ただ前日から14もスコアを縮めたことには「ゾーンに入ったわけじゃないけどアグレッシブにいった」と満足そうな表情を見せた。

 ホールアウト後は公式会見に出席。自己ベストは6月の日本ツアー、シンハー・タイ・オープン第2日にマークした62。海外メディアに「その時と何が違うのか」と聞かれ「1打違う」と答えて笑いを誘った。

 初日は1Wが左に曲がり77と崩れた。ラウンド後は1時間半1Wを練習。最後の一人になるまで打ち続けた。それでも「光は見えない」と修正できなかった。スタート前の練習は「調子が悪い」とウエッジだけでやめた。1Wは一球も打たずに1番ティーに上がり「1番、2番は“ダメもと”で」思い切り振るとフェアウエーに飛んだ。4番で左に曲がったが切り返しでクラブが暴れないように意識し感覚をつかんでいった。

 来季は米ツアーに参戦する意向。既に下部ツアーとの入れ替え戦に出場する権利を持っており、この大会で上位に入ればレギュラーツアーの出場権確保も見えてくる。もちろん首位と7打差は優勝圏内。岩田は好スコアにも浮かれる様子はない。「忘れたくはないけど、早く切り替えたい」と視線を上げた。

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