錦織 ナダル初撃破4強!BIG4完全制覇「全てを支配できた」

[ 2015年8月16日 05:30 ]

8度目の対戦でナダルを下し、右手でガッツポーズの錦織(カナディアンプレス提供=AP)

ロジャーズ杯男子シングルス準々決勝 錦織 6―2、6―4 ナダル

(8月14日 カナダ・モントリオール)
 日本のエースがナダルを圧倒した。男子シングルス準々決勝で世界ランキング4位の第4シード、錦織圭(25=日清食品)は世界9位の第7シード、ラファエル・ナダル(29=スペイン)に6―2、6―4で完勝。4大大会14勝を誇る元世界1位のナダルには8度目の対戦で初勝利を挙げた。ついにBIG4全員から勝利を収め、マスターズ大会初制覇に弾みをつけた。15日(日本時間16日午前9時以降)の準決勝ではBIG4の一角である世界3位の第2シード、アンディ・マリー(28=英国)と対戦する。

 1年3カ月前、前回のナダル戦は勝利目前で強制終了となった悔しい敗戦だった。ケガがなければどんな結果になっていたか。あの続きを見るかのような錦織の圧倒的な勝ちっぷりだった。

 「全部良かった。サーブ、リターンも良くて、ストロークではほぼ主導権を握れた」

 ジョコビッチ、フェデラー、A・マリー、そしてナダル。この10年の男子ツアーを支えてきた「BIG4」と呼ばれてきたトップ選手のうち、錦織がただ一人勝利を挙げていない相手。そのナダルを初めて打ち破った。いや、叩きのめした。

 「攻めないと絶対に勝てない相手。より振り切っていけた」

 錦織のストロークはいつも以上に直線的で、伸びがあった。第1セットの第2ゲームで30―40のピンチをしのぐと、第3、第5ゲームでブレークに成功。ベースラインから一歩も引かず、スピンが利いて弾むナダルのボールを早いタイミングで打ち返した。動きのいいナダルも錦織のスピードに対応しきれず最後は差し込まれて無理な体勢からミスを重ねた。

 9年前に全仏ジュニアのダブルスで優勝した時、錦織は全仏決勝前のナダルの練習相手に指名された。当時は強烈なスピンボールに面食らうばかりだったが、08年のプロ初対戦から一歩ずつ差をつめてきた。昨年の全豪オープンでは大接戦を演じ、そして同5月のマドリード・オープン決勝では内容で上回りながらケガに泣いた。

 初めてランキングで上回って迎えた8度目の対戦。試合前は「自分を信じ切れるか不安もあった」という。しかし「リターンも深く入って攻めていけた。第1セットを取れて信じることができた」と4大大会14勝の相手を内容でも完全に凌駕(りょうが)。「マドリードではあと一歩だったけど、きょうは全てを支配できた」。第2セットも攻め手を休めずグイグイ押し込み、第3、第5ゲームと立て続けにブレーク。「追いつかれそうになっても自分から打つのをやめなかった」とナダルの反撃も押し返した。

 「いいテニスができている。この調子を保って思い切ってプレーすることが大事」。マスターズ大会初制覇まであと2勝。次なる相手もBIG4の一角、A・マリーだ。過去1勝4敗と分は悪いが、“ナダル超え”でつかんだ自信が、BIG4を連破するための大きな武器になる。

 ▽錦織の前回のナダル戦(14年5月マドリード・オープン決勝)世界12位の錦織は準決勝で世界5位のフェレールを破り、決勝で同1位のナダルと激突した。ナダル得意のクレーコートで序盤から圧倒し、第1セットを先取。第2セットも4―2としたところで「痛んでいた臀部(でんぶ)から足の痛み」が悪化。動きが止まり、最終セット0―3となったところで途中棄権した。

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