ブラジル出身魁聖 1敗守る「暑くなったから」動き不安なし

[ 2015年5月18日 05:30 ]

佐田の富士(右)をすくい投げで破った魁聖

大相撲夏場所8日目

(5月17日 両国国技館)
 東前頭11枚目でブラジル出身の魁聖が西前頭7枚目の佐田の富士をすくい投げで下し、1敗をキープした。8日目に6人が1敗で並ぶのは04年夏場所以来11年ぶりという大混戦。南米出身初の三役を目標に掲げる男が熱い夏の主役候補に浮上した。
【8日目取組結果】

 捨て身の投げが鮮やかに決まった。200キロの佐田の富士に頭をつけられて土俵際に押し込まれた魁聖は上体が伸び上がりながらも差していた右を強引に振った。「これしかないと思った」。圧力を左に逃がすと、巨漢の相手はすってんころり。粘って、勝負をかけて、1敗を死守した。

 「こんなに調子いいのは久しぶり。暑くなったからかね」。ブラジル生まれで夏は大好きだ。新入幕の11年5月の技量審査場所で初日から9連勝(10勝5敗)して敢闘賞を獲得するなど5月の場所には強い。3年前に圧迫骨折した腰は「寒いと痛くなるけど、暑いと引く」と不安がないのも好調の要因だ。

 前頭筆頭が最高位、南米力士初の三役昇進が目標だ。アマ時代の04年世界ジュニア選手権で来日し栃ノ心とともに3位だった。その時優勝したのが豪栄道。豪栄道は大関に昇進しており、後れを取るわけにはいかない。

 今場所は40歳の兄弟子、旭天鵬が幕内出場回数で魁皇を抜き歴代1位となった。レジェンドの存在は「凄いです」と刺激。3年前の夏場所は旭天鵬が初優勝した。白鵬が初日で負けたのはその時以来。旭天鵬からは「魁聖、おまえあるよ」と期待をかけられている。「優勝争い?考えていないです」と、まずは18日の高安との1敗対決に集中する。過去の戦績は3勝4敗とほぼ互角。「どっちかなぁ」。サンパウロ出身の陽気な男はいたずらっぽく笑った。

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2015年5月18日のニュース