杉原 初優勝&初の世界選手権代表、15歳新星「夢のよう」

[ 2015年5月18日 05:30 ]

かれんな演技で会場を魅了する杉原

体操 NHK杯

(5月17日 東京・国立代々木競技場)
 ニューヒロインが躍動した。女子は杉原愛子(15=梅花高)が57・250点をマーク。全日本選手権の持ち点と合わせた合計を113・975点とし、初優勝と初めての世界選手権(10~11月、英グラスゴー)の代表を決めた。男子は内村航平(26=コナミスポーツク)が合計184・250点で自身の最多記録を更新する7連覇を達成した。

 初優勝と初の世界切符を決めた15歳・杉原が、あどけない笑みを浮かべた。「夢のよう。めっちゃうれしいです!」。3位だった4月の全日本よりも難度を下げ、完成度を高めた演技で表彰台の真ん中へ。16年リオデジャネイロ五輪の団体出場権が懸かる世界選手権へ、「先輩に迷惑かけないように、自分の演技をしたい」と気合を入れた。

 もともと脚力は強かったが、体が硬いという体操選手には致命的な弱点があった。地道な柔軟運動に取り組み、杉原が小学4年時から指導する片岡コーチは「今はだいぶ(姿勢が)きれいになった」と言う。1メートル46、35キロの小さな体には、あふれる闘志が宿っている。練習で技を失敗すると、成功させるまでは絶対に帰らない。「だいぶ、負けず嫌いです」と自己分析する性格が、急成長を呼んだ。

 13年9月、東京五輪の20年開催が決定すると、「来たぁ!」と喜んだ。「東京五輪に出場できるように頑張る。団体で3番以内に入りたいし、オールラウンダーとして個人総合でもメダルを獲りたい」。世界選手権、リオ、そして東京へ。15歳の新女王には明るい未来が見えている。

 ◆杉原 愛子(すぎはら・あいこ)1999年(平11)9月19日、大阪府東大阪市出身の15歳。姉・好栄さんの影響で4歳で体操を始める。昨年のアジアジュニア選手権で団体総合金メダル、個人総合で銀メダルを獲得し、今年4月の全日本選手権で3位に入った。1メートル46、35キロ。

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2015年5月18日のニュース