競泳冨田 11・6“窃盗やってない会見” カメラは「入れられた」

[ 2014年10月30日 06:31 ]

韓国から帰国した時に頭を深々と下げた冨田

 仁川(インチョン)アジア大会でカメラを盗んだとして韓国で略式起訴され、日本選手団から追放された競泳男子平泳ぎの冨田尚弥(25)が弁明のための記者会見を11月6日に名古屋市内で開くことが29日、関係者への取材で分かった。日本水連からは「16年3月31日まで選手登録停止」の処分を通達されており、30日の臨時理事会で承認される見込み。処分決定後の冨田の発言に注目が集まる。

 日本選手団から追放された冨田が「自分は盗み行為はやってはいない」として、弁明会見を開くことになった。韓国・仁川地検の起訴内容によると、冨田は9月25日にチームの応援で訪れた競泳会場の記者席で、韓国通信社のカメラを盗んだ。警察の事情聴取に対して容疑を認め、罰金100万ウォン(約10万円)を納付。被害者とは示談が成立していた。

 しかし、大会を終えて帰国する前、冨田の言動は変わっていた。ソウルの金浦空港では報道陣に「大変お騒がせして誠に申し訳ございませんでした」と頭を下げた一方、「僕、やってないです」とも発言。関係者によると、冨田は「(別の人物からカメラを)バッグに入れられた」と話すなど、自ら取ったのではないと主張しているという。帰国直前は発言が二転三転するなど精神状態が不安定だったため、本人による会見はこれまで未定となっていた。

 日本水連は7日に冨田を16年3月末まで選手登録停止とする処分案をまとめ、30日の臨時理事会で正式決定する。処分案は8日に冨田側に送付されており、2週間以内であれば異議申し立てが可能だったが、水連関係者によると異議申し立てはされていないという。

 所属先のデサントからは契約を解除された。選手登録停止期間中は大会への出場はできないが、記録会には参加できる。冨田は10年広州アジア大会男子200メートル平泳ぎで金メダルを獲得し、将来を期待された選手。会見での発言に注目が集まる。

 ◆冨田 尚弥(とみた・なおや)1989年(平元)4月22日、愛知県東海市出身の25歳。豊川高、中京大を経てチームアリーナ入り。10年広州アジア大会男子200メートル平泳ぎで金メダルを獲得。11年の国際大会代表選考会では北島康介を破り、同年の世界ランク1位の2分8秒25をマーク。12年ロンドン五輪は出場を逃した。1メートル74、74キロ。

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