近藤 48キロ級金!昨年優勝0の日本女子に新ヒロイン

[ 2014年8月26日 05:30 ]

女子48キロ級で金メダルを獲得し、表彰式で笑顔の近藤亜美

柔道世界選手権第1日

(8月25日 ロシア・チェリャビンスク)
 柔道世界選手権が開幕し、男女最軽量の2階級を行った。女子48キロ級で初出場の19歳、近藤亜美(三井住友海上)は決勝でパウラ・パレト(アルゼンチン)に指導2の差で勝ち、初優勝を飾った。3回戦で昨年の世界女王を下し勢いに乗った代表最年少は、昨年大会で個人金メダル0の屈辱を味わった日本女子に雪辱の金メダルをもたらした。男子60キロ級で連覇を狙った高藤直寿(21=東海大)は準決勝で敗れ、銅メダルに終わった。

 勝利が決まると、一瞬だけ両手で顔を覆って喜びをかみしめた。19歳、代表最年少の近藤が大会初日に金メダルを獲得。「あまり緊張しないので、楽しめたのが勝因。しっかりつなげられたので、あす(26日)から先輩たちが頑張ってくれると思う」と笑った。
 勢いに乗ったのは3回戦だ。昨年の女王ムンフバットから払い腰で有効を奪った。「1度負けているので、今回は勝とうと思った」と闘志を前面に押し出し、逃げ切った。決勝こそ指導2の僅差となったが「一本を狙うのが持ち味」と話す通り、破壊力のある内股、払い腰を軸に、寝技でも決める貪欲さも光った。

 吉田秀彦、谷本歩実を生んだ名門、愛知・大石道場の出身。小学生時代には谷本の金メダルに触れ「いつかこれが獲りたい」と誓った。三井住友海上入り後、練習では歯が立たなかった先輩・山岸絵美に今春の全日本選抜体重別で競り勝ち、大舞台への道を歩み始めた。

 憧れの選手は昨年の世界選手権男子73キロ級で金メダルを獲得した大野将平(旭化成)。7月の合宿では組み合う機会を得て組み手のアドバイスも受けた。背筋が伸びた姿勢も見て盗み、立ち技で投げられにくくなった。

 暴力指導の問題などで揺れ、金メダル0に終わった大会から1年。初日に“連敗”を止めたのは、谷亮子、浅見八瑠奈らが歴史を彩ってきた日本の金看板48キロ級。新ヒロインは「最終目標は五輪での金メダル。この優勝でスタートラインに立てたかな」と胸を張った。

 ◆近藤 亜美(こんどう・あみ)1995年(平7)5月9日、名古屋市生まれの19歳。1歳年上の兄・孝哉さんの影響で5歳から六郷道場で柔道を始め、小3から中3までは吉田秀彦、谷本歩実らを輩出した大石道場に通う。大成中から大成高に進み、今春に三井住友海上に入社。高1で世界カデ優勝。昨年のグランドスラム東京、今年の全日本選抜体重別も制した。理想の男性は横綱・白鵬。1メートル55。

続きを表示

2014年8月26日のニュース