上田 丸刈りゴメン首位発進!推薦出場に感謝の「66」

[ 2014年5月30日 05:30 ]

第1日、2番でティーショットを放つ上田諭尉。6アンダーで首位に並んだ

男子ゴルフツアー~全英への道~ミズノ・オープン第1日

(5月29日 岡山県笠岡市 JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(7382ヤード、パー72))
 ミズノ契約の大会ホストプロ・上田諭尉(40=谷汲CC)がボギーなしの6バーディー、66で回り、通算6アンダーで、岩田寛(33=フリー)と並んで首位スタートを切った。上田の首位は2年前の今大会第3ラウンド以来。今季はシード落ちしており、主催者推薦で出場機会を得た舞台で恩返しの優勝を誓った。

 フィニッシュがピタッと決まる。ショットもピタッとピンそばにつく。前半に見せた上田のアイアンの切れは極上。10番で残り132ヤードをPWで1メートルにつけ、13番は147ヤードを9Iでまた1メートル。16番のパー3も7Iで1メートルに突き刺し、バーディーを重ねた。シード落ちした昨季は「フィニッシュでじっとしていられなかった」と左膝を柔らかく使えなかった。しかし、今季は下半身に柔軟性が出るようバランスディスクという不安定な土台の上でスイングをするなどトレーニング。効果がついに表れた。

 今大会にかける思いは強い。クラブ契約を結ぶミズノの大会であるのはもちろんのこと、もう一つ、のっぴきならない理由がある。開幕2日前。ミズノ契約プロが集まった同社の激励会で、水野明人社長や他の役員からハッパをかけられたという。「“推薦で予選落ちしたら年末の忘年会で丸刈りですよね”と言われました。ジョークだと思ってたけど、翌日、“丸刈りになるなよ”と言われて、あ、ホントなのかもって…」。“罰ゲーム”への恐怖が好不調の波が激しい40歳を引き締める一因になったのか、ボギーなしの66。2年前の今大会以来となる首位に立った。

 推薦出場のありがたさを身に染みて感じている。昨年、7年間守った賞金シードを手放した。最終予選会も44位と不調に終わり、今季はこれまでのようにツアーに出られなくなった。「シードの時は試合が当たり前だった。今は一試合を大事に戦おうと思える。出させてもらうのはありがたいこと。昔の気持ちを思い出します」。底抜けに明るい男から出た感謝の言葉には重みがある。優勝でも、上位4人に与えられる全英オープン出場権でもいい。メーカーへの恩返しをするなら、今をおいて他にない。  

 ◆上田 諭尉(うえだ・ゆい)1974年(昭49)3月9日、岐阜県大垣市出身の40歳。16歳でゴルフを始め、専大卒業後、97年にプロ転向。07年の東建ホームメイト・カップで初優勝。02年に賞金シード獲得も1年で陥落。06年にシードを得ると昨季までシードを守った。1メートル75、76キロ。

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2014年5月30日のニュース