20歳スピース首位並んだ ウッズ超え史上最年少V見えた

[ 2014年4月14日 05:30 ]

マスターズ第3ラウンド、15番でティーショットを放つジョーダン・スピース。通算5アンダーで首位タイとなった

USPGAツアー マスターズ第3日

(4月12日 米ジョージア州オーガスタ オーガスタ・ナショナルGC=7435ヤード、パー72)
 20歳の新星がウッズ超えに王手をかけた。3位から出たジョーダン・スピース(20)は2アンダーの70にまとめ、通算5アンダーの211、74で回ったバッバ・ワトソン(35)と並び首位。20歳8カ月17日で勝てば97年に21歳3カ月14日で優勝したタイガー・ウッズ(38)を抜き大会史上最年少だ。しかも、初出場初優勝は79年のファジー・ゼラー(62=ともに米国)以来35年ぶり4人目の偉業となる。

 歴史を塗り替えようとするスピースをパトロンがスタンディングオベーションで迎えた。オーガスタの18番フェアウエーをゆっくりと歩く姿に風格さえ漂う。鮮やかな色合いのグリーンで15メートルのバーディーパットを確実に寄せてパーで締めくくった。端正な顔をした20歳の新鋭は「夢が現実になろうとしている。何が起ころうとも冷静にプレーをしたいね」とリーダーズボードの頂点を見上げて顔をほころばせた。

 ツアーでは珍しくウエッジ4本を使い分ける。平均飛距離は287ヤードで93位と派手さはないが、大崩れはしない。この日はスタートから我慢のゴルフを続けたが、終盤にスコアが動いた。14番の2打目を50センチに付けてバーディーを奪うと、15番パー5は3打目をウエッジで2メートルに付けて連続バーディー。勝負どころで首位に並ぶパットを決めて右拳を3度振った。

 全米ジュニア選手権を2度も制したのはウッズ以来とあってプロ転向前から注目を集めた逸材だ。昨年のジョンディア・クラシックでは19歳で初優勝。31年のラルフ・ガルダール(米国)以来82年ぶり10代でのツアー勝利を果たすと、昨年の年間最優秀新人にも選出された。初出場ながら、開幕前には同じテキサス出身の歴代覇者のクレンショーから手ほどきを受け、開幕前夜のディナーでは帝王ニクラウスからもアドバイスをもらった。大ベテランの後押しが、経験を積んだライバルとの差を埋めた。

 優勝を狙える絶好の位置にいながら、20歳とは思えないほどの落ち着きぶりを見せる。会見では「当然、緊張はするだろうけど、これだけコースが難しいと、相手のことなんて考えられない。髪が薄くなるよ」とジョークで笑わせた。どこまでも自然体の“米国の怪物”。ウッズ超えの偉業へ勝負の18ホールを見据えた。

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2014年4月14日のニュース