葛西 右膝痛でも「何とかシングル」厳しくなったW杯総合制覇

[ 2014年3月5日 15:30 ]

 ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ男子は4日、フィンランドのクオピオで個人第24戦(HS127メートル、K点120メートル)が行われ、ソチ冬季五輪ラージヒル銀メダリストで41歳の葛西紀明(土屋ホーム)は2回とも123メートルの合計243・6点で8位だった。

 痛めている右膝に試合前から違和感があったという。試技の踏み切りで力を入れた際に痛みを感じ「これはまずい」と不安がよぎったが、痛み止めを飲んで乗り切った。「何とかシングル(1桁順位)だね」ともどかしそうだった。

 体が万全だったころに比べると後半の伸びを欠いている。それでも空中で浮力をしっかり捉える技術で2日の第23戦の9位に続くトップ10をキープした。着地でも膝をいたわりながらテレマークを入れ、まずまずの飛型点を稼いだ。

 ただ4位につける個人総合優勝争いは極めて厳しい状況に追い込まれた。今季6勝目で100点を加えた首位のカミル・ストッホ(ポーランド)との差は364点に開いた。残りは4戦。7日のトロンヘイム(ノルウェー)後に300点を超える差がつくと、葛西の総合制覇は消える。

 薬の効果で「意識しないで飛べた」とはいえ、残り試合も右膝の状態に気を使いながら戦うことになりそうだ。逆境にも「上位に離されたから早く追いつきたい。次は表彰台に立ちたい」と闘志を燃やした。(共同)

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2014年3月5日のニュース