遠藤 白鵬に11戦全敗「当たって一度でも押せれば」も及ばず

[ 2014年3月5日 05:30 ]

立ち合いで横綱白鵬(右)に左ほおを張られる遠藤。横綱相手に11戦全敗と完膚なきまでに叩きのめされた

 大相撲の春場所(9日初日、ボディメーカーコロシアム)で初めて横綱・大関陣と総当たりする東前頭筆頭・遠藤(23=追手風部屋)が4日、横綱・白鵬(28=宮城野部屋)と稽古し、完膚なきまでに叩きのめされた。出稽古先の時津風部屋(大阪市東成区)で稽古相手に指名され、いいところなく11戦全敗。稽古中に両足首に痛みを覚えるなど、上り調子のホープが厳しい洗礼を浴びた。

 白鵬、日馬富士の両横綱に加え、綱獲りの鶴竜、そして角界随一の人気を誇る遠藤という“相撲界のオールスター”のような面々が一堂に顔をそろえた時津風部屋。そんな中で優勝28回の大横綱のターゲットとなったのは、今場所初対戦を迎える日本人ホープだった。

 準備運動を終えた白鵬から指名された遠藤は「当たって一歩でも押せれば」と力の限りぶつかった。だが、全く歯が立たない。寄り倒されては尻もちをつき、上手投げを食らっては背中に土がつく。左右の足首に痛みを覚え、苦痛の表情を浮かべる場面もあったが、それでも横綱から「早く、こら!」と厳しい言葉が飛んだ。いいところなく11連敗を喫し、「あぁ!」と絶叫する一幕も。ひねったように見えた両足首は「ちょっと(の痛み)だけど、大丈夫です」と問題なしを強調した。

 白鵬との稽古は新入幕だった昨年秋場所前の横審稽古総見以来2度目。その際は少し力を抜いた横綱を一度だけ押し出す場面があったが、この日はまさにボコボコにされた。白鵬は「一度やりたいと思ってたので実現できて良かった。(遠藤は)良かったんじゃない?」と余裕のコメント。一方、伸び盛りの23歳は「疲れました。強かったです。オーラも雰囲気も」と素直に実力差を認めるしかなかった。

 「最初から横綱とやって相撲になるとは思っていない。力をつけ、もうちょっといい相撲を稽古で取りたい」。アマ時代の小、中、高、大も最初は常に高い壁があった。それを努力で乗り越え、いつも最後には頂点に立ってきた。「この経験を無駄にしない。千秋楽まで自分の相撲を取り切る」。意気消沈していた遠藤の顔つきが、帰り際には変わっていた。

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2014年3月5日のニュース