賞金王・松山の強さは「プロゴルファー猿のような野性味」

[ 2013年12月2日 05:30 ]

パットラインを見つめる松山

男子ゴルフツアー カシオ・ワールドオープン最終日

(12月1日 高知県安芸郡芸西村 Kochi黒潮カントリークラブ=7316ヤード、パー72)
 史上初のルーキー賞金王に輝いた松山。その強さの源泉はどこにあるのか。松山に並ばれるまで、新人最多の年間4勝(81年)の単独記録保持者だった倉本昌弘は「いい意味で天然、つまり自分の世界にうまく入れるというところ」と話した。

 同様のことを高知・明徳義塾ゴルフ部元監督の高橋章夫氏も証言する。「服、スイングにとらわれないところは(同じ明徳義塾出身の横峯さくらと)似ている」。ファッションには無関心で、クラブもある時期までトップアマだった父・幹男さんの“お古”を使っていた。高橋氏は「ある意味“プロゴルファー猿”のような野性味がある」と漫画の主人公に例えた。

 11年に史上初めて米欧ツアー同時賞金王になったルーク・ドナルドはその飛距離に注目する。「賞金王になるには時間を要するものだけど、プロ1年目でできたのは本当に凄いことだ。才能がある証拠だよ。特にロングゲームが素晴らしい」。松山は新シーズンの米ツアー2試合(10月)の平均飛距離が317・8ヤードで、大柄な欧米選手を抑えランク1位に立っている。そうした資質に加え、日頃の練習熱心さも強さに磨きをかけている。小学生の頃、幹男さんとコースへ行くと、父がラウンドする間は、練習グリーンでアプローチ、パットをして待っていた。高橋氏によれば中、高校時代は早朝、1人で黙々と走り、打ち込みの量も群を抜いていたという。

 米ツアーに本格参戦する来年は優勝争いの期待が懸かる。だが、倉本は周囲の過熱する声をいさめるように「日本では唯一の世界基準の選手」と評価した上で「左手親指付け根の痛みは長引くと大変。体のケアに注意して、ショット、アプローチ、パットの精度を上げ、もう一つ上のゴルフをしていかないと」と指摘した。

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2013年12月2日のニュース