錦織 大逆転で初戦突破「正直終わったと」連覇へヒヤリ

[ 2013年10月2日 06:00 ]

シングルス1回戦 ユルゲン・メルツァーと対戦する錦織

男子テニス 楽天ジャパン・オープン第2日

(10月1日 東京・有明テニスの森公園)
 昨年覇者で世界13位の錦織圭(23=日清食品)が大逆転勝利を収めた。シングルス1回戦で同26位のユルゲン・メルツァー(32=オーストリア)にあと2ポイントまで追い詰められたが、瀬戸際から挽回。連覇と自国開催の重圧をはねのけ、6―7、7―5、6―2で2回戦に駒を進めた。伊藤竜馬(25=北日本物産)はフェリシアノ・ロペス(32=スペイン)に、杉田祐一(25=三菱電機)はイワン・ドディグ(28=クロアチア)に敗れて1回戦で姿を消した。

 悲痛なため息を歓声に変えた。あと2ポイント奪われたら終わりという第2セット第9ゲーム、30―30の場面で錦織が真価を発揮した。ワイドにきた相手のサーブを予期して反応。クロスに打ち抜いたリターンはメルツァーが届かない厳しい角度に突き刺さった。

 「読みがたまたま当たったので思い切り振り切った。きょう一番のリターン」という会心のプレーとガッツポーズで流れを変えた。このゲームをブレークし、第8ゲームから5ゲーム連取で第2セットを奪い返した。

 「昨年優勝、しかも地元でプレーするのは簡単ではなかった。頭で整理していたつもりが想像以上に緊張した」。日本で連覇に挑む重圧。序盤はストロークに硬さが残り、第2セットはファーストサービスの確率が58%まで落ちた。「正直終わったなと思った」と敗戦を覚悟したが、「次のポイントだけを考えて」徐々に巻き返した。ようやく緊張のほぐれた第3セットは、7本のエースなどでメルツァーを牛耳った。冷や汗ものだったが、まずは初戦突破。「これを機にジャンプアップできたら」と錦織の顔に安どの笑みが広がった。

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