萩野2個目の銀!ロクテ振り向かせた怪物18歳

[ 2013年8月3日 06:00 ]

男子200メートル個人メドレー決勝 銀メダルを獲得し笑顔を見せる萩野公介

水泳世界選手権第13日

(8月1日 スペイン・バルセロナ)
 日本のホープがまた一つ、歴史をつくった。1日の男子200メートル個人メドレー決勝で萩野公介(18=東洋大)が1分56秒29で2位に 入り、五輪を含めた同種目の日本男子初となるメダルを獲得。400メートル自由形に続く2つ目の銀メダルを手にした。女子50メートル背泳ぎでは寺川綾(28=ミズノ)が27秒53で、100メートルに続く銅メダルに輝いた。2日の男子200メートル背泳ぎ決勝では、入江陵介(23=イトマン東進)が4位、萩野が5位に終わった。

 底知れない。今大会12レース目となった200メートル個人メドレー決勝。150メートルを3位で通過した萩野は最後の自由形で猛然と追い上げ、ゴール手前で隣のペレイラ(ブラジル)をかわした。0秒01差で手にした2つ目の銀メダル。「(タイムに)物足りなさもあるけど、競り勝てて良かった」と振り返った。

 優勝したロクテには体1つ分の1秒31もの大差をつけられた。だが、世界記録保持者との差は確実に縮まっている。ロンドン五輪決勝では、銀メダルだったロクテは1分54秒90で、5位に終わった萩野は1分57秒35。2秒45もあった差を1年で1秒以上詰めた。「(現在の)僕の実力ではかなわないので、また今度リベンジしたい」と声を弾ませた。そして、レース後にはロクテから話し掛けられた。「この後、200メートル背泳ぎもあるんでしょ」。これまで会話らしい会話がなかった10歳上の王者に、日本の「HAGINO」が認められた証拠だ。萩野は「ちょっと友達になれてうれしい」と目を輝かせた。

 ロクテを振り向かせたように、大会を通して成長を続けている。速いスピードを保って泳ぎ続ける200メートル自由形を予選、準決勝、決勝と3レース泳いだことで、50メートルしかない200メートル個人メドレーの自由形が楽に感じるという。平井コーチが「いろいろな種目にチャレンジして、得意な個人メドレーに応用できるというのが分かった」と話したように、個人6種目出場が本命種目の底上げにつながった。

 伸びしろは無限大だ。「今大会で痛感しているのは全体的にスピードが足りないなということ。だから200メートル個人メドレーのメダルは自分にとって価値のあるもの」。常に満足せず、課題を見つける度にうれしそうな表情を見せる。自信をつけた18歳が、最終日の400メートル個人メドレーで世界一に挑戦する。

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2013年8月3日のニュース